レッドオクトーバーを追え!:MAGをソロプレイする

bqsfgame2008-04-28

シナリオ4は、アメリカ軍のノルウェーへの上陸増援作戦を描いている。
アメリカ軍は、上陸部隊を中核とする艦隊、空母ニミッツを中核とする艦隊、戦艦ウィスコンシンを中核とする艦隊の3つに編成することが指定されており、ソビエト側は水上艦艇を二つの艦隊に編成することが指定されている。この内の上陸部隊を中心とする艦隊をノルウェー沿岸に置いて1ターンを過ごさせるとアメリカ軍の勝利となる。ソビエトはこれを阻止しなければならない。
文章を読むとシナリオ3よりずっと面白そうに思えるのではないかと思う。確かに自由度も増し、敵の意図を察知して戦うことが必要なようにもなっている。
ただ、ソロプレイだったということもあるかも知れないが、実は敵の意図の秘匿性が極めて低い。最初のショートレビューでも書いたように、本作では敵艦隊の存在と位置は自明である。どれが上陸部隊の艦隊かは、遊弋する潜水艦による事前偵察で早々に分かってしまう。そうすると、後はソビエトはどうやって目的の艦隊を直接攻撃するか、アメリカ軍側は空母艦隊と戦艦艦隊でどう事前にソビエト艦隊を叩いてしまうかという互いに正体が十分に分かった上でのムーブになる。一つ問題なのは本シナリオにはターン期限が設定されていないので、純ゲーム的なムーブにこだわれば、アメリカは上陸艦隊を保護するために一旦、南方へと温存してしまうというようなことができてしまう。
どうもゲームとしてプレイしたときにリアリティに欠けてしまうのだ。
シナリオ3と4の二つをプレイした範囲での感想としては、以下のように思っている。
1)ゲームシステム的にはフリートシリーズより簡単だが、似たようなテイストを生むことができており、それなりの評価は与えられそう。
2)シナリオの設定が上手く行っていない。十分なテストプレイがされていないという印象を受ける。ベストセラー小説との企画物という事情から考えても、慌しく出してしまったのではないか?
3)率直な感想としては「オンスロート」と比較すると、かなり落ちると言わざるを得ないだろう。シナリオ7や8までプレイするとまた違うのかも知れないが、3、4をプレイした時点で先に進もうと言う意欲を感じさせる内容ではなかった。いささか厳しすぎるかも知れないが、「オンスロート」が良かっただけに比較として差があることは明確にしておきたい。