戦争に非ず殺人なりをソロプレイ

エリアインパルス方式の南北戦争ゲームと言うことで、そう大変でなくルールもプレイもできようかと思い手を付けてみた。
ルール的には最近プレイしてきたGJ系のゲームとは異質な部分がある。まず、ユニットの裏面は行動済みを表すのではなく、本当にステップロスを表現している。したがって、ユニットは行動したからと言う理由では裏返されない。
逆にターンの行動限界を制約するのは、リーダーユニットで、これは行動すると裏返される。そして、リーダーの数が限られているので、行動限界がやがてやってくる。
プレイ開始時に既にグラントとリーは対峙しているが、グラントには左翼への旋回余地がある。旋回するか、それとも正面から一気に決戦に持ち込むかはグラント次第だ。
とは言え左翼展開していっても、実は敵の砲兵の射程内では移動力消費が大きいために先回りはできない。このため、南軍の対応も追いついてしまうため、どこまで行ってもアンナ川を挟んで対峙すすることとなり、結局はいずれ渡河して決戦を挑まなければならなくなる。そのタイミングと場所をどこに持ってくるか、その選択により両軍の激突する規模をどの程度にするかが北軍側の決断になろう。
裏返ったユニットを補充する能力は北軍が3倍、それとは別に増援も北軍の方が大きい。しかし、上述のように渡河作戦を強いられ、防御地形と防御施設を擁して待ち構える南軍と戦わねばならないハンデがある。どうやって、自軍の損害を、自軍の補充や増援能力でペイアウトできる範囲に抑えられる戦場と戦機を探すかが北軍の醍醐味だ。
一回のプレイでは一つの決断しかできず、その結果が間違っていたとすれば次のプレイを待つより他はない。何度もプレイしてみて、どの決断が正しいかを見極めていくより他はないのだろうが、貴方の直感的な判断は果たしてプレイによって立証されていくだろうか?
‥という感じのゲームになっている。
コールドハーバー戦役と聞いて不安に感じていたが、面白く仕上がっているように思う。
史実でのグラントと同様に北軍プレイヤーは、損害を覚悟でどこかで突撃を命じることになる。その収支バランスが、命令を正当化できるものになるかどうか、プレイヤーは一度しかできない大きな決断に自身の才覚の全てを賭けることになろう。