イヤーオブザラットをソロプレイ

bqsfgame2008-12-29

ネズミ年の内に是非ともプレイしたいと思っていたのだが、なんとか間に合ったと言う印象だ。
1972年のS&T35号の付録ゲーム。
ヴェトナム戦争は1973年にアメリカが撤兵し、最終的には1975年のホーチーミン陥落まで続く。したがって、1972年の時点ではアメリカにとっては泥沼末期の進行中のイベントだったということになる。その意味では政治的にホットなトピックだった訳であり、なかなかセンシティブなパブリッシュだったのではないかと思う。
ゲーム内容自体は70年代初期だけに非常にシンプルなものだ。デザイナーはジョン・プラドス先生だが、後の時代のようなゴテゴテと色々と付けた過剰装飾的なデザインと違って、非常に好感が持てる。
大きなポイントは二つあって、第一は北ベトナム陣営のユニットはフォッグオブウォーで隠れているということ。第二は米軍側は非常に強力な航空爆撃能力を持っているということだ。
ただし、1972年のイースター攻勢から始まるので、実際には北ベトナムは先に攻勢に出てくるので、フォッグオブウォーの利点の多くは初期に失われてしまう。このため、ソロプレイ困難ではあるが、ソロプレイで全然雰囲気が見えないということでもない。
北ベトナム側は総力が限られているから、的を絞って戦力を集中して国境沿いから一気に進撃して攻撃を開始する。米軍側は第一波を受け止めたら、守れそうなポジションを決めて兵力を集中し直す。そして、爆撃を軸に反撃をしていく。このときにフェイズ攻勢が、地上部隊の移動/爆撃の解決/攻撃の解決となっていて、強力な爆撃の効果が中間で判るようになっているのが難しい。最初に攻撃しようと位置についても、爆撃で敵がいなくなって空回りしたり、爆撃で敵を少し弱体化させてから攻撃と思ったのが一向に効果が出なかったりするわけだ。
そんなこんなでシンプルなゲームだが、ヴェトナム戦争らしい雰囲気は感じられるようになっており、まずまずの佳作ではないかと思う。
1年分しかプレイしないので、終わりまで容易にプレイできてしまうプレイアビリティも最近のウォーゲームの水準から見ると清清しい。