○マドンナヴェルデを読む

bqsfgame2011-06-22

NHKのドラマ10でやっていたマドンナヴェルデを見た。率直に言って、かなり消化不良な印象を受けた。海堂作品がそんなにつまらないとは信じられないので、原作を読んでみることにした。
率直に言って、原作のほうがずっと切込みが鋭い。面白いと言う表現は当らない内容だが、不妊治療の矛盾、親と子の絆と言う二つの争点が親子で争われる様は非常に読ませる。
原作に比べるとドラマの方は、こうした争点が完全燃焼しないまま終ってしまう。原作と設定の違うところはいくつかあるのだが、やはり最大の問題は争点を完全燃焼させないエンディングだろう。
配役的に国仲涼子を曽根崎理恵に持ってきたことで、彼女の不倫や代理母実験などは原作ほどに大胆なものにできなくなってしまったのだろうか。
本作ではむしろ主役である松坂慶子は、さすがに頑張った印象。しかし、みどりに恋心を抱く丸山が原作より中途半端にクローズアップされていたのは、個人的には賛成できなかった。むしろ、最大の争点に関して直感的に結論を出す青井ユミの最後の活躍がなくなってしまっている問題が大きいように思う。
ドラマ10は、割と水準が高いので楽しみに見ているのだが、マドンナヴェルデは失敗だったなと思った。