△スペイン王 フェリペ5世

スペイン継承戦争と言うからには、本当は主役のはず。
しかし、実際にはハプスブルグ系王朝の後継者不在に乗じてフランス王ルイ14世が血縁者を王位に付けようとした思惑のマリオネットである。当時のスペインはそもそも連合王国であったこともあり、この継承は最初から波乱含みであった。
結果として、フランス対アングロサクソン同盟(英蘭)を軸として利害の絡んだ諸勢力が相次いで両軍に加わり欧州全土を舞台にした大戦争となった。
フェリペ5世は、フランスの支援を受けながら同盟側に参戦したポルトガルや、スペイン内部の反対派の諸王国と戦った。最終的に戦争はフランスが劣勢の状況で和睦に至ったが、同盟側が擁立しようとしていたカール大公が神聖ローマ皇帝に即位したため、今度は逆に神聖ローマとスペインの同王同盟が懸念されるようになり、結果としてフェリペ5世の即位は公式に承認された。
しかし、ネーデルランドやイタリアのスペイン領は戦争で失われ、スペインの力はこの戦争で少なからず衰えた。だが、国内的には連合王国の形から統一国家の体裁への前進も見られた。
その後、現在に至るまでスペインのブルボン王朝は存続している。