エーゲ海の戦い

bqsfgame2013-11-06

以前に入手済みのATO14号。
ラレギアマリーナをやることになったので発掘してきて眺めている。
これもWW2の地中海の戦い。1943年のイタリア降伏に伴って、イタリアが占領していたギリシャ沿岸のドデカネス諸島を巡って発生した戦い。
イギリスの指導者であるチャーチルは海軍出身者であり、WW1でもガリポリ上陸作戦を実行した前科がある。WW2でも地中海のイニシアチブを取る野心を持つチャーチルは、イタリア降伏のタイミングでドデカネス諸島を攻略し、そこからバルカン半島への攻勢を計画した。この作戦はアメリカ軍には評判が悪く、結果としてイギリス軍の単独作戦となった。
一方のドイツは、イタリア脱落を見越して早めに動いており、結果としてドデカネス諸島の戦いは期せずして英独両軍が陸海空の立体作戦で戦う興味深い戦場となった。
ロードス島、コス島、レロス島などで激戦が繰り広げられたが、意外にウォーゲームにはなっておらず、レロス島の戦いがゲーマーズのTCSで扱われているのくらいしか個人的には思い浮かばない。レロス島は、峨々とした岩山で、円錐形ではなく、それこそ星形陣地のような姿をしているため、思わぬヘクスから思わぬヘクスへLOSが通ったりしてTCS的には非常に作戦の考えにくい、言い換えれば意外性に富んだ戦いの展開されるゲームだったと記憶している。プレイ負荷が大きい割に正統派でない印象があり手放してしまったが、今にして思うと少し惜しいことをしたかも知れない。もっとも買い戻してプレイしたいとまでは思わないからそれで良かったのかもしれない。
で、エーゲ海の戦いだが、デザイナーはペリー・ムーア。ムーアは余り海戦ゲームのイメージがなかったのだが、どうしたものかATOでは本作と後の「パウケシュラーク(ドラムビート作戦)」をデザインしている。いずれも作戦の重要性の割にはゲームが見当らない興味深いトピックである。ちなみに、この2作品がいずれももりつちさんの「ネタ的に持っていたいような品々」に挙がっているのは偶然ではないだろう。さらに言えば、もう一つ「イントゥベアートラップ」もムーア作品。ムーアと言う人は、企画として目を引くものを取り上げる嗅覚に優れているのだと思う。後は、ゲームの完成度を確保するデベロップ力があればなぁと言うのはないものねだりか‥(^_^; 「イントゥベアートラップ」は攻撃側のロシア軍が戦力不足で攻撃が早々に頓挫することと、視認性が極端に悪いパステルのマップを除けばそんなにおかしくもありませんでしたが‥(^_^;