シェナンドー河を見る

bqsfgame2013-11-11

最近、BSプレミアムを良く見ていますが、その一つです。
シェナンドー渓谷と言えば南北戦争ゲーマーなら知らない人はいないであろう激戦地の一つ。ジャクソンのヴァレーキャンペーンであまりに有名です。
シェナンドー河の舞台であるヴァージニア州は、地図で見ると独立13州の中でも北寄りに位置していますが、南北戦争では南部側に参戦しました。シェナンドー渓谷は、南軍の北部進攻のハイウェイ的に機能し、再三に渡って南軍が北上し、また北軍がそれを押し返し激戦地となり、非常に荒れました。
この映画は戦争映画ではなく、渓谷に住む農家の大家族が、戦争に巻き込まれたくないと願うのに否応なしに巻き込まれていくストーリーです。その意味で反戦映画と言って良いでしょう。本作品を見ると、南軍にも北軍にも正義はなく、戦争は悪であると言う主張が明確に読み取れます。
ちなみにロケシーンは大変残念ですがシェナンドーではなく、オレゴン州のユージーンで撮影されたそうです。
主人公家族は、いかにもアメリカンファミリーのお父さんと言うべきお父さんをジェームズ・スチュアートが演じています。奥さんは末息子の出産時に亡くなっていますが、子供は男の子が6人、女の子が一人。長男は既に結婚しているので、さらに嫁一人です。ストーリー中で孫が生まれるのでさらに増えます。
ヒロインは長女のジェニーで、北軍兵士と家族が喧嘩になった時に、拳銃を抜いた北軍兵士の拳銃を狙撃して喧嘩を止めて追い出すシーンには驚かされます。7人兄弟の中で馬も銃も一番上手いと言う男勝りです。演じているのはローズマリーフォーサイスと言うカナダ女優ですが、聞いたことのない名前ですが、本作品でゴールデングローブ賞の新人賞にノミネートされています。
逆に聞いたことのある名前は兄嫁のアンで、アメリカンニューシネマを代表するキャサリン・ロスです。卒業のエレーン、明日に向かって撃てのサンダンスの恋人ですね。本作品では良き嫁を演じていますが、物語の途中で夫と共に命を落としてしまいます。
他にも兄弟の中に死者が出るなどして、戦争に巻き込まれまいとした家族から次々と死者が出るのは見ていても納得が行きません。それでも作中でジェニーの結婚式があったり、アンの出産があったり、最後には行方不明だった末息子が帰ってきたりと、家族の幸せのエピソードも多く語られ、地味ながら良い映画だと思いました。