なんと、バーレンヴィクトリーです。
CWBシリーズの第4作で、1991年の作品になります。題材はチカマウガの戦いです。フルマップ2枚、カウンターシート2枚と、ちょっとしたビッグゲームです。しかし、CWBの常でカウンターの半分はマーカーで、残りの1/4はリーダーで、実働部隊ユニットは意外に少ない。
とは言え、独特の命令ルールで部隊はなかなか言うことを聞かないし、やっと戦闘になると一回ごとに6個のダイスを振る戦闘システムで判定や結果適用に時間が掛かるためターン数は進みません。
9:30に集合しましたが、午前中はセットアップだけで終了。セットアップ作業の効率が上がらないのは、
1:セットアップ情報が部隊名と配置へクスでルールに記載されており、最近のスタンダードであるユニット裏面記載でない
2:戦闘途中のシナリオをやったため、既に受けた損害をシナリオ情報に基づいてロースターパッドに記入する作業がある
3:戦闘途中のシナリオであるため、一般的な指揮ルールの範囲外に配置されている部隊があり、その取扱いについて協議した
などの理由によります。
さらに、バーレンヴィクトリーは、シリーズルール2.0の適用なのですが、今回はルール3.0でプレイしようとしたため、その調整協議も発生しました。大きな問題点としては、3.0でなくなったパニックルールは使用しない。森林ヘクスの判定基準は3.0に従う。の2つくらいだったと思います。
で、結局、プレイ開始は昼食後になり、13:00から懇親会の始まる19:00までの6時間ほど掛けてゲーム内時間では9月20日の早朝5:00から8:00までをプレイしました。
結果から言うと、たったの3時間ほどしか戦闘していないのに、南軍の損害水準は北軍15VP相当に達し、さらにポークの軍団が士気阻喪して追加6VPを与えて北軍21点、南軍は北軍損害の最低線の3点に留まりました。北軍優位18VPは、北軍大勝利と判定されました。
南軍の損害が甚大になった最大の原因は、ポーク将軍の命令齟齬にあります。このシナリオではポーク将軍はブラッグ総司令官から北軍第14軍団を攻撃せよとの命令を受けています。で、ポークの配下には直属のチーザム師団、さらにDHヒル軍団、ウォーカー軍団がいます。で、厄介なのは、直属師団はすぐ攻撃を開始するのですが、他の軍団には改めてポークから命令を出さなければなりません。ところがポークの指揮能力は最低の0で、加えてゲーム特別ルールでブラッグ配下の時には−1のアンチイニシアチブが適用されます。ですので、ヒルとウォーカーへの命令はすぐには通りません。結果として、チーザム師団が単独で北軍14軍団に攻撃してしまいます。
で、第14軍団ですが、グラント、シャーマンに次ぐ北軍ベスト3の一人トマスが率いています。これが防衛する正面に単独攻撃するのですから、前日までの損害もあってチーザムは一溜りもありません。早々に攻撃中止したいくらいですが、こんな時に限って軍団攻撃停止チェックを通過して攻撃を継続してしまいます。
結果としてチーザム師団は2個連隊が完全に消滅してしまいます。残りの連隊は退却しますが、これに対して勇猛果敢な指揮能力4のトーマスは、すかさずイニシアチヴを敢行してチーザムの残存部隊を追撃します。
少し遅れて南軍左翼のロングストリートが攻撃を開始しましたが、こちらも北軍の第20、21軍団の豊富な砲兵による防御射撃を真面に受けて、思うように前進できません。それでも無理無理接敵する所まで来ますが、その過程でジョンソン軍団の2個連隊が消滅してしまいました。
南軍の指揮の問題もありましたが、対する北軍の射撃の好調さも際立っていました。年中ゲームをしている訳ですが、今年一番のハイロールだったと思います。結果として、11、12を出すと発生する弾薬切れが頻発し、特に第14軍団は軍団補給車の小火器弾薬を8:00にして全て使い切ってしまうほどでした。最初の射撃でダメージ3、ストラグラー2を出したのを筆頭に、一回の射撃で3ボックス以上を消去するような結果が少なからず出ました。
結果として、まだ朝食の時間だと言うのに、南軍は大敗北模様となってしまいました。
感想ですが、やはりチカマウガ戦は両軍の司令官が無能なこともあって、CWBならではの指揮の問題を痛感させる作りになっていると感じました。プレイヤーの思うとおりに部隊が動かないことがCWBの醍醐味とするならば、バーレンヴィクトリーはその白眉と言えます。この作品がアメリカで人気があるのも頷けます。一方で、どうしてバーレンヴィクトリー2が企画倒れに終わったのか残念でなりません。今から復活する可能性は薄いと思いますが、CWBが今後も続くのであればどこかの機会で再考して欲しい物です。