エーゲ海の戦いの感想

bqsfgame2014-05-23

システムもシチュエーションも非常に個性的なので、何をどうして良いのか判らないことが最大の敷居の高さでしょう。ただ、少し動かしてみると、何をどういう風に考えれば良いのかは見えてきました。
1:作戦のグランドデザインを考える
基本的に島の支配が最大の得点源です。ドイツ軍はロードス島を占拠しているので35点あります。イギリス軍が対抗しようとすると、コス島15点、サモス島15点、レロス島10点くらいを取れば勝負になります。ユニットの損害は、ドイツのシュトゥーカが凶悪なのでイギリスに発生しそう。それを考慮に入れると大体同点くらいのイメージです。
2:グランドデザインに従って侵攻計画を立てる
イギリス軍は上述のグランドデザインに従って、どの島にどのタイミングで、どの方法(上陸か降下か)で侵攻するかを決めます。
3:侵攻計画に従って、支援攻撃や事前攻撃/妨害攻撃の計画を立てる
イギリス軍は侵攻時の支援作戦や、事前の準備作戦を、ドイツ軍は予想される侵攻に対する妨害作戦を立てます。ドイツ軍は凶悪なシュトゥーカ群を擁していますが、戦闘機戦力で劣っているのが悩みです。イギリス軍は盤内に飛行場がなく戦闘機が増槽修整を受けるのが悩みです。
4:後はアドリブの応酬
インパルス数が可変で、昼か夜かも当座にならないと判りません。さらに、先攻後攻も当座に決めます。ですので、先の見通しは立ちません。アドリブの応酬です。
しかし、アドリブに追われて全体のグランドデザインを見失ってしまうと、勝つのは容易でなさそうな気がします。
と言うことで、非常に特殊なシチュエーションですが、戦略立案と、個々の作戦立案、様々なルールを運用した個別戦闘の応酬と、面白く出来ていると思います。
ルールの混乱の他に、コンポーネントの不親切さもあって、プレイしやすいとは言えないですが、本作戦の全体をカバーしているゲームは他にないので、本作戦に興味のある人は購入する価値は十分にあるでしょう。
こうした三軍のハイブリッドゲームと言うと、ATOではシェンノートのシステムを太平洋に移した「カートホイール作戦」が期待作ですが、案に相違して(?)本作も合格水準に達しています。
事前にビビッてプレイしたので良い方に裏切られたのが大きいかも知れません。
しかし、これが最後のペリムーゲームではありません。
第2、第3のペリムーゲームが続いているのです(笑)。既に我が家には、ダブルチャージに和訳が掲載された「ケッセルシュラハト」があるのでした‥(^_^;
それはともかくとして、本作が合格点だったので、ぺりむーがファイアーファイトゲームズで出した「レオパルド作戦」は見て見たい気がしますね。TCSの「レロス」まで細かくなると島全体の構図は見てとれませんが、「レオパルド作戦」なら全体が見えそうですから。本作を踏まえてレオパルド作戦を、あるいはレオパルド作戦を踏まえて本作を見ると、いろいろな知見が生れそうです。