行きてスパルタ人に告げよをソロプレイする

bqsfgame2014-07-30

BSで「300」を放映すると言うのを契機に、思い切ってソロプレイしてみた。
ATOのソロプレイゲーム。デザイナーは、ロブ・マーカムである。マーカムのゲームをプレイするのは久しぶりだが、例によって割と柔らかいルールだという印象を受けた。
プレイヤーはスパルタ側を受け持つ。テルモピュライの峠にて、ペルシャの大軍を迎え撃つ。
不思議なことに、本作はヘクスではなくスクエア方式である。映画をキッカケにノンウォーゲーマーがプレイすることを想定したのだろうか。ヘクスと言う、ウォーゲームローカルでは常識でも、普通は見慣れないマップ方式は避けたのだろうか。
ゲームは3日間をプレイする。3日間に渡って峠を支えきれば良いのだが、そう簡単ではない。
毎日、プレイヤーはギリシャ同盟軍を峠に配置する。そして、ペルシャ側の配備表を振って、ペルシャのどの翼が朝一番で攻勢をかけてくるかを決める。攻勢は8ラウンドで解決され、支えきるとペルシャの増援判定をする。で、増援判定時に、その日にまだ未登場の翼が指定されれば、第二波を同様にプレイする。
これが実は大問題で、最初に出た翼が指定されれば、その日は第一波のみで終わってしまう。逆に、三波も四波も攻勢が続くこともある。
戦闘システムは非常にブラッディかつスピーディである。古代戦にしては珍しいが、移動/防御射撃/攻勢射撃/白兵戦と言うスコードリーダーみたいなシークエンスである。で、射撃能力が非常に高い。弓兵はもとより、ジャベリンや、混合(ジャベリンも持つ重歩兵らしい)まで射撃能力が複数スクエアレンジで存在する。
プレイアビリティは高いのだが、最大の問題は全然古代戦らしくないことだろう。なんか、WW1の塹壕を守っていて、猪突猛進してくる敵を撃ち倒しているような気分になってくる。
ゲームになっていないと言うほどの欠陥品ではないが、これを改めてソロプレイのチャレンジとして再戦しようとはちょっと思わない出来栄えと言う気がする。
あと、スクエアにしたことはメリットがあまりなく、むしろ見慣れないルールになっていて疑義を招いているように思う。
本作は、初版ルールでは機能不全で全面改定したと言うのだが、どうもマップの基本設計、ユニットの基本設計に関わる部分からデザインの問題が大きくて修整しきれなかったのかなと言う気もする。
古代戦のゲームは出版機会が少ないので、もう少し大事にデザインして欲しかったと思う。
余談だが、本作が塩っぱかったので、映画の「300」の方も大いに盛り下がって、途中で挫折してしまった‥(^_^;