☆覇者の戦塵:激突シベリア戦線上を読む ネタバレ注意

bqsfgame2014-08-06

久しぶりの覇者の戦塵です。
上下二分冊ですので、いつもは纏めてですが、事情により下巻は先送りなので。
シベリア戦と言いますが、上巻はそこまで行きません。
この世界ではアリューシャンで一戦交えてから太平洋戦争が始まっているのは、愛読している方なら周知の通り。
その流れを踏まえて、なんと米軍がソビエト沿海州基地を利用して、いきなりB24リベレーター数十機規模で日本を空襲してきます。
うーん、そう来ましたか。
このシリーズは工学ベースの架空戦史なので、将来の武器技術の進歩を促すようなキッカケを開戦早々に設定しているのが特徴。
思えば「北太平洋航空戦」は、日本の電探技術の進歩を促すための伏線だった訳です。
本作はその流れを汲んでいて、早々に本土空襲を受けたことで日本の総合的な防空システムの発達を促す伏線と言うことなのでしょう。
防空戦は地味ですが、実は非常に面白い。レーダー、偵察機、偵察艇、監視員などを総合した早期発見。発見後の迎撃態勢。高高度水平爆撃を迎撃可能な上昇能力に優れる迎撃機。大型爆撃機を撃墜できる火力装備など、様々な課題の総合的な解決でしか、最終的に満足のいくアウトプットが達成できません。その意味で、総合力を問われ、その多くを技術課題や、システム構築が占めると言う著者好みの題材です。
こういう防空戦の醍醐味を上手く描いている作品は貴重だと思います。
ウォーゲーム的には、2011年の成果として挙げた「バーニングブルー」は、そうした要素の片鱗を感じさせてくれました。しかし、防空の光学技術開発の醍醐味まではカバーしていませんでしたね。そういうゲームが欲しいなぁと思うのですが、あんまり売れそうにないですかね‥(^_^;?
あと屠龍が活躍するのも珍しいです。そうか、電探搭載迎撃指揮機として使うのかぁ(ネタバレ)‥(^_^;