ざっくりとした展開

第4ターンスタートシナリオは、東部西部共に両軍の主力が対峙して始まります。
北軍としては、グラントのテネシー軍と、未編成ながら西部で唯一の有力スタックを率いるポープで仕掛けたい所。しかし、東部の北ヴァージニア軍のリスクが大きく、マクレランは統率能力が大きいので東部にコマンドポイントが必要なのが頭の痛い所です。
実際にプレイした方は判ると思いますが、本ゲームではアクション実施に当って二つの制限があります。一つは、該当戦域のコマンドポイントを消費すること。もう一つは、その回のダイス差の範囲で行動することです。ダイス差は、両者が2ダイスを振って、その差で判定します。2ダイスは合計7に寄った三角分布をするので、あまり大きな差が付きにくいのが特徴です。
さらに、軍をアクションするには軍司令官の統率値を消費します。ボビーやグラントは2ですが、北軍の初期司令官は動きの鈍い司令官が揃っていて、マクレラン、ビューエル、ローズクランス、ポープなど、軒並み3です。すると、その戦域にコマンドポイントを十分用意した上で、さらにダイス差が3以上の状況を待たねば行動できません。これが、北軍の前半戦の深刻な悩みです。
結局、西部戦線でイニシアチブを取り切れず、先に南軍の北ヴァージニア軍がボビー自ら本体を率いてヴァレーキャンペーンに乗り出してきました。このため、ワシントン直接攻撃のリスクが高まりました。止むを得ず、ジェームス軍をワシントンにて急遽編成。軍司令官クラスが不在なので、グラントを西部から異動します。その結果、テネシー軍の軍司令官が不在になったので、シャーマンを昇格させます。
ボビーの本隊がシェナンドーに入ったので、期せずしてブルランのポトマック軍からリッチモンドに至る経路に敵がいなくなりました。幸いにして、このタイミングで大きなダイス差が発生。そこで、乱暴かと思いましたが、乱戦による消耗戦は北軍の望むところと考え、マクレランで経路上の守備隊を蹂躙してリッチモンドを奪取します。このゲームでは、ワシントンの南軍支配では毎ターン大きなペナルティがあるのですが、実はリッチモンドには特別な規定はなく、単に5点のVP都市です。
ですので、ゲームは普通に続行ですが、北軍としてはリッチモンドへ進出したものの、補給線が切れてしまうので北ヴァージニア軍の反撃が怖いところ。そこで、せめて条件を互角にするために、北ヴァージニア軍の補給も切断します。
で、ルールの確認です。
本ゲームでは、補給はアクション開始時にのみ判定します。ですから、補給フェイズのようなものはなく、補給切れで部隊が消耗したりすることもありません。アクションにおけるペナルティとしては、戦闘に参加すると必ずデモラライズすることと、移動力が1減少することくらいで、そんなに痛くありません。ただし、デモラライズすると攻撃不能になります。また、デモラライズすると回復には補給下であることが必要です。ですから、補給切れが継続する条件下では、最初の戦闘でデモラライズすると回復できず、結果として二度と攻撃できなくなります。
さて、南軍により補給線を断たれたポトマック軍の窮状を脱するため、北軍はファラガット提督率いる海軍部隊によりノーフォーク上陸作戦を実施します。ノーフォーク攻撃はきわどく成功します。そこからリッチモンドへと海上補給線を確保することに成功しました。
しかし、南軍は北ヴァージニア軍でリッチモンド奪回へ。マクレランがリアクションロールに失敗したため、リッチモンド奪回戦は一方的に南軍に押されて敗北してしまいました。
そんなこんなで東部戦線で激しい激闘が繰り広げられる中、西部戦線では大きな動きが両軍とも取れません。しかし、増援だけは補充されていき、北軍のカンバーランド軍は最大規模の20戦力に到達します。同軍の司令官は慎重居士のローズクランスですが、彼のままでは東部にコマンドポイントを配分せざるを得ない状況下では身動きが取れません。そこで、ついに英断を下して、ローズクランスを解任。同軍には内部昇格候補者がいないので、テネシー軍からシャーマンを異動します。で、テネシー軍でトーマスを内部昇格します。
これで、西部戦線ではシャーマンのカンバーランド軍とトーマスのテネシー軍と言う攻撃態勢が整い、さぁこれからと言う所で時間切れとなりました。
得点的には北軍が少し勝っていて、南軍はコマンドテーブル使用による得点が少しずつ入ってくるのですが、西部戦線でシャーマンの20戦力軍が暴れ始めると止めるのは難しいかなと言う印象でした。その意味では北軍が有利と言う判定ですが、東部戦線が荒れているので何が起こるか判らない気もします。