「昼顔」が本クール最大の収穫でした。
基本的に同じようなことを延々と繰り返す情念ドラマは嫌いなのですが、これは井上由美子が上手くまとめていました。まるで、中学生の恋愛のような斉藤工と上戸彩と、爆走する吉瀬と北村一輝と言うコントラストが際立っていました。
また、被害者役の伊藤歩は、マウントレーニアCMのほんわかキャラとは打って変わった激しさを好演しました。
あとは上戸の夫に言い寄る部下の木南晴夏が魅力的でした。彼女の名台詞が多くて、「付き合う気もないくせに、わたしにずっと好きでいて欲しかったわけ? 男の自信を保つための道具にしたかった?」や、最後の登場場面でパジャマ代わりに着ていたワイシャツを投げ捨てて「出来なかったくせに‥」と言うのは大ヒットでした。
意外な所では姑役の高畑淳子は、本作では一番常識人でしたね‥(^_^;
後は吉瀬の夫役の木下ほうかが熱演でした。被害者サイドの伊藤と木下の熱演がドラマを盛り上げたと思います。
終盤に登場した北村一輝の前妻が、高橋かおりなのは嬉しいサプライズでした。美少女タレントとして有名だった彼女も、近年は情念の激しい役が増えました。
「ゼロの真実」は、傑作とは言いませんが、意外に面白かった。一回完結の監察医ミステリーとしては、非常に良く出来ていたと思います。逆に、全体を通しての主人公の母親の死に関するミステリーは、あまり上手く見せられていなくて、最終回は「え、たったそれだけのこと?」と言う印象でした。武井咲は、可もなく不可もない印象。出番は少なかったですが、分析室の宮崎香恋の方が魅力あったように思います。
「そこをなんとか2」は逆で、一回完結の法廷ものとしては前シリーズに見劣りしました。むしろ、シリーズ全体としてラッコちゃんの恋愛ストーリーに軸足が移りました。赤星君が変わってしまいましたが、前任の五十嵐隼士が芸能界引退したのですね。それじゃ仕方がない。あと意外なことに井上和香の出番が増えて、なかなか魅力的でした。あまり好きなタイプではないのですが、仕事に邁進してきたが少し疲れているキャリアウーマン像を鬱陶しくなく熱演していました。
「若者たち」は、いろいろな意味で昭和テイストの作品でしたが、少し熱血が過ぎて暑苦しかったかも知れません。キャスティングが豪華で、全員の見せ場をどこかしらに作らないといけないので、纏めるのが難しかった印象です。満島、長澤、蒼井と言った女性陣はそれぞれに魅力的に描かれていて楽しく見られました。男性陣では、主役の妻夫木より、ムショ帰りの瑛太が印象的でした。
「親父の背中」は、当たり外れが激しかった印象です。最初の2作は良かったと思うのですが、後半はクリーンヒットが出なくて辛かった気がします。
再放送ものですが、「1リットルの涙」を初めて見ました。これは良いドラマですね。5話目の障碍者手帳の話しから後は毎回、涙なくして見られませんでした。錦戸が特に良く、続いて沢尻、そして成海の順でしょうか。両親役の薬師丸も陣内も好演しており、非常にレベルの高いドラマでした。シリーズ構成をしたメイン脚本の大島里美の力量は素晴らしい。彼女が来年の大河の脚本に登場する訳ですが、パートナーと上手く噛み合えば期待できるのではないでしょうか?
「聖女」は2回見た所で脱落。広末が悪女で濡場と言うのが売りでしたが、そこは第1回だけ見れば良いのかなと思いました。