千葉会:30年戦史を対戦プレイする

と言う訳で、11月の千葉会でWさんと対戦してきました。
12時半にスタートして、17時半まで5時間掛けて第7ターン終了までプレイして、新教側の投了で終了しました。それにしても、60シリーズなのに300分掛かって最終ターンまで行かないとは‥(^_^;
結論から先に行きます。
競技ゲームとしては、抜群に面白いです。太平記システムの特徴である、行軍の読み合いの醍醐味が最初から最後まで続きました。ユニット数が少なく、戦闘正面が広く、加えて裏切者が出ると言う30年戦争独特の事情もあって、同システム中でも屈指の悩ましさです。ルール確認などで時間が掛かったのではなく、とにかく読み合いに時間が掛かりました。個人的には、囲碁の大会の準決勝か決勝を持ち時間3時間で打ったのと同じくらいの疲労感と、充実感がありました。それも、井山対山下みたいな、最強手段を求めて次々に険しい場面が連続するような‥。
小判型の雑誌付録のミニゲームと侮ることなかれ。これから挑戦する人は、太平記シリーズの中でも重い作品と思って心して取り組まれることをお薦めします。少なくとも3時間は用意して置くか、チェスクロックを使う覚悟が要るかも‥(^_^; でも、これを1手2分とかで打たされたら、脳が焼き切れるかも‥(^_^; いや、感性で打った方が正解なのかも知れませんが‥?
ところで、ざっくりとしたゲーム展開。
両者とも陣営にこだわりがなかったので、ダイスで決めて当方は旧教側になりました。旧教側の強みは、開始時に戦闘地域に展開している兵力が多いことです。さすがは、ハプスブルグ家と申せましょう。弱点は、信頼できる王侯に戦闘能力が高い武将がいないことです。頼みになるのは傭兵のヴァレンシュタイン
比較して、新教側の利点は、順次増援ですが、デンマークスウェーデンの北方の2強が信頼できる国王の戦闘能力が高いことです。本ゲームでは、複数武将が戦闘に参加すると地位の高い人が総司令官になり、その戦闘能力を使用します。傭兵は最下位なので、他の傭兵や下級諸侯との共同戦闘でしか総司令官になりません。これがヴァレンシュタインが有能でも、影響力に限界がある部分です。また、外交表で傭兵は予告なく解散するので、非常に信頼性が低い。このゲームでは、部隊は常に将軍指揮下に置かねばならず、将軍が裏切ると部隊も解散してしまいます。なので、傭兵の大兵力スタックは、一振りで消えてなくなることがあります‥(^_^;
ゲーム的には、旧教側が勝利得点で先行します。まぁ、当然の展開。しかし、デンマークが参戦してくると、北部の新教領は安定化してしまいます。そして、続いてスウェーデンが参戦してくると、新教側がバイエルン方面から南下を開始します。これが強力で、旧教側は頭数を頼んだ消耗戦くらいしか応手がありません。
しかし、幸いなことに外交表のロールに恵まれて、新教側の有力傭兵隊長であるマンスフェルトを解散させることに成功。さらに、別の傭兵隊長、下級諸侯を解散させ、なんと外交表で合計9戦力を除去することに成功しました。
この大損害で新教側は、有力なデンマーク王クリスチャンとスウェーデングスタフ・アドルフだけに戦力が集中することとなり、実質的に有効なスタックが合計4つしかなくなりました。しかも、その全てがバイエルン方面に集中してしまいました。
この好機に、ヴァレンシュタインベーメン方面から北上して旧教の得点源であったエルベ川流域を奪取します。旧教側には虎の子のドナウ川流域地域もあり、ここで旧教側は得点差最大の20VPを獲得します。
劣勢の新教側は、止むを得ずグスタフ・アドルフライン川の南下に勝負を賭けます。少し無理筋ですが状況的に止むを得なかったでしょう。これに対して、旧教側はザクセン公などの諸侯でアドルフをロックしてしまい、その上で後方に単独で残っていたデンマーク王クリスチャンのスタックをスピノラで包囲攻撃します。退路を失ったクリスチャン4世は決死の抵抗を試みますが、数に勝るスピノラ軍に敗北。さらに、戦死チェックにも失敗して敗死してしまいます。
ここに至って、新教側は有力スタック数も不足、二強の一角も失われ、得点差は依然として最大、残りは3ターンしかないことから投了図となりました。
感想戦では、新教側は結果として兵力の逐次投入となり、特にオラニエ公マウリッツと、フランスのテュレンヌが、実効のあるスタックにならなかったのが痛かったのではないかと言う話しになりました。得点差が一旦、旧教側に振り切れるのは止むを得ないので、人員が集まるまでは地元で雌伏して兵力拡大に努めた方が良かったのではと言う見解です。
あと、何といっても外交表の威力が大きかったように思います。
それから、このゲームでは領地の支配状態で徴兵動員が変化するのですが、王侯は支配領で動員能力が高く、傭兵は逆に支配領でない方が動員ができるというのが曲者。なので、傭兵はどんどん敵地に進入して行くのが吉です。あとは外交表で解散しないことを祈るしかありません。その都合で言うと、外交表の選択権は非主導権側にあるので、非主導権側の旨味はそこにあります。主要アクションである行軍では、最初の一手と手止まりを握っている主導権側が大きく有利なので、そこでバランスしている訳です。今回は、その外交表のロールが偏って新教側は史実のような活躍をできませんでした。逆に、史実では途中で暗殺されたヴァレンシュタインが最後まで活躍し、旧教側の中押し勝ちとなったわけです。
なかなかヘヴィー級のミニゲームですが、非常に面白かったので、またやりたいですね‥(^o^)