千葉会:ヤルーを対戦プレイする

ジョン・ヒル追悼企画第2弾、ヤルーを対戦プレイしてきました。
10:30集合、17:30解散で、8ターンをプレイしました。昼食時間も含まれていますが、ちょっと進行遅かったですか‥(^_^;
全25ターンのゲームなので、まだ1/3までしか来ておらず、最終局面を予想するのは難しく、時間切れ無勝負です。
筆者は、人民義勇軍側を希望してプレイしました。イニシアティブを取っている側の方が、精神的に楽だろうという予想です。
ただ、8ターンまで進んで思いましたが、なかなか両軍ともに形勢判断の難しいゲームです。
8ターン終了時点では、人民義勇軍興南を奪取、続いて気候境界線を突破、最後に平壌を奪取した所まででした。
勝利条件的には、さらに先にある38度線を突破することが必要です。終了時点で、ソウルを奪取した上で36戦力を突破するか、ソウルなしで72戦力を突破すれば勝利です。中国軍の1個軍が12〜16戦力ですので、72戦力は5個軍くらいに相当します。
ゲームとしては、冒頭は中国軍の奇襲攻撃で幕を開けます。それが一段落すると、アメリ軍師団を核にして国連軍は東西の海岸付近の平野部を突破されないように後退戦を続けます。中国軍は、中央部の山岳地帯を浸透して前進し、そこから両翼に展開して国連軍の前線に側面圧力を掛けて、さらに後退させていきます。
西海岸側は平壌付近から広い平野部に出て、国連軍は守りにくくなるので、大きく後退せざるを得なくなり前線は左に回転します。今日の所は、この辺りで時間切れでした。
最終ターンで国連軍は元山を放棄したのですが、感想戦ではあまり良くないのではないかという議論になりました。元山=ソウル線が前線距離が短くて守りやすいので、そのラインで踏み止まるのが良いのではなかろうかという判断です。
国連軍は、勝利条件的に開始線から38度線まで土地の譲り代(後退代)があるので、これをどう利用して部隊を温存して強い前線を形成するかが鍵です。そして、その前線でどこで踏み止まるのか、また浸透されたら後退して引き直すのか、それとも断固反撃して踏み止まるのかの形勢判断に基づいた継続的な意思決定が求められます。一回終りまでプレイして相場観を見出さないと難しいゲームと言う印象を受けました。
中国軍側も易しくはありません。勝利条件的に38度線突破までは、継続的に攻撃して前進し続けるしかありません。しかし、戦闘補給ポイントがすぐに不足するので、それを補うために人海戦術をどこで投入するかが問題です。
人海戦術はユニット単位で宣言でき、宣言すると戦力が2倍になりますが、その戦闘後に自動的に全滅します。中国軍は量で優越していますが、相応の対価を相手に求められないと人を使い捨てにするほどの余裕はありません。特に当初配置軍の後は、2月後半まで増援が来ないので、この時期に人が減ってしまうと浸透移動で圧力を掛けるのにも不自由してしまうので、切り札をいつ切るかは重要です。
攻撃補給のコストが、気候境界線を越えると2倍に、38度線を越えると3倍になるのも問題です。
また、国連軍が反撃に消極的だと航空支援が余剰となり、それは中国軍の補給破壊任務に向けられるので、中国軍の補給は慢性的に不足します。どうせ爆撃されてなくなるくらいなら使い切ってしまった方が良いようだと言うのが本日の結論でした。
で、変なのは、そうすると国連軍の優秀な空軍は何の使い道もなくなってしまい、あまり意味のない橋梁爆撃などに投入されるようになります。ここら辺の「ゲーム的になくても良い要素」になってしまう部分があるのは、ちょっと不満を感じます。
とは言え、最後の局面までを想定した戦略的評価の上に作戦的意思決定を積み重ねる必要があるという点では、非常に良い作戦級ゲームだと思いました。あまり、プレイ報告を見ませんが、もっと話題になっても良いと思います。
また、最初の奇襲、続く浸透戦術、その後の人海戦術とフェイズごとに中国軍の攻撃方法が変わっていくのも面白い。
国連軍側も、後退戦から、戦線維持、さらに局所反撃を利用した戦線死守と移り変わることになりそうで、そちらも面白そう。
その意味では、是非とも次は帰趨が見える所までやってみたいものです。少なくとも3月終わりくらいまで行ってみたいものです。真価を問うのは、その時かも知れません。