☆朝が来るを読む

bqsfgame2016-02-04

朝ドラとは関係ありません。
辻村深月の新作です。と言っても図書館に予約してから順番が回ってくるまで4ヶ月以上待ちましたから、もう平積みにはなっていません‥(^_^;
本作の第1部の視点人物は、特別養子をもらった夫婦の佐都子です。辻村作品の主人公は、30になっていても大人になれていないこじらせ女子が多いのですが、珍しく彼女は大人の女性です。養子をもらっているということ以外には平凡な幸せな母親である彼女の日常をインタラプトする一本の電話から物語は始まります。
第1部は、佐都子の不妊治療から特別養子をもらうまでの物語です。
第2部になって、いつもの辻村系主人公のひかりが登場します。中学生で妊娠、出産に至り子供を特別養子に出すまでの物語です。この設定は、思えば金八先生杉田かおるなど、枚挙に暇がありません。最近では有村架純もやっていました。そんな題材ですが、それを実際に本人の視点で見ると、そこには他人には判らない、その時点時点での強烈な感情があることを改めて感じさせます。
そして、最後はその両者が邂逅するまでなのですが、その結末のインパクトはさすがの筆力です。
リーダビリティは非常に高く二日半で読み終わってしまいました。4ヶ月待って二日半はもったいないと残念に思いながら読み終えました。
ハケンアニメのような読後感の爽やかさはありませんが、これもまた読書の醍醐味を感じさせる力作であることは間違いありません。