映画「記憶にございません」の連動企画として、古畑の傑作選を放送しています。
本日は、唐沢寿明がゲストの「VSクイズ王」。
数ある古畑作品の中で、筆者の個人的ベストです。
クイズ王という番組の設定が凝っています。毎回、テーマの数字があり、その数字に因んだクイズを挑戦者とチャンピオンが互いに出しあってサドンデスで争うのです。
クイズの内容的には非常に難しく、難しすぎて実際の番組としては成立しなさそう。視聴者が全然わからないと思うようなクイズは、番組としてはご法度なのです。
それはともかくとして、この方式だと制作側はテーマの数字だけ用意すれば良いので、製作者サイドは楽そうです。
閑話休題。
当初は番組制作側が無敵のヒーローを作ろうと、事前に数字を教えて勝たせてくれていたのが、週刊誌にスッパ抜かれそうになって梯子を外すという、いかにもありそうな設定。それに対して、どうしても数字を事前に知りたいチャンピオンが道具室を訪問して担当者を振りのけて殺してしまう。
ところが、部屋から出ようとしたら、ネタ合わせしている漫才師がいて出られない。この密室状態をどう脱出するかが見せ場です。
そして、そのトリックを古畑がどうやって解き明かしていくか。
基本、本シリーズは、刑事コロンボのオマージュだと思うのですが、刑事コロンボの「魔術師の幻想」と並ぶ程の出来栄え。
無駄のない伏線、完全に収束する結末。
改めてみて傑作と呼ぶにふさわしい出来栄えと思いました。
冒頭の挑戦者決定戦に登場する古畑の負けっぷり。
しつこい古畑を追い払うためにチャンピオンが仕掛けるゲーム。
細かい所まで非常に面白くできています。