キース・ローマーその2です。
マーケットプレイスで入手して初読。
中学時代に何度も繰り返して読んだ「多元宇宙SOS」の前日譚だそうです。「エンパイア」というシリーズなのだそうです。初耳でした。
本書が発売されたのは「前世再生機」や「多元宇宙SOS」よりだいぶん遅く、その頃には筆者は青背のハヤカワ文庫ばかり読んでいて白背にはアンテナが貼られていなかったのかと思います。
ストックホルムで突如拉致された主人公。
拉致したのは多元宇宙の支配的な『帝国』のエージェントです。
実は多元宇宙連続体には、荒廃した世界ばかりが繋がる領域があり、その中にわずかに生き残っているBI2という世界が専制君主が支配する軍事国家で他の世界を攻撃しているというのです。
主人公のいるBI3という世界はBI2にもっとも近い現存する並行世界で、主人公はBI3の専制君主の並行存在なのです。
帝国は主人公を替え玉としてBI2に送り込んで、その圧政を打破しようという話しなのですが、一夜漬けで仕込まれてBI2に送り込まれてみると、あっさりと替え玉を見破られて苦境に陥るというお話です。
ローマーらしいエンターテイメントで、007のようなと言うと褒めすぎかもしれませんが、次々にテンポ良く展開していきます。