〇多元宇宙SOSを読む

 キース・ローマーの3冊目です。

 「多元宇宙の帝国」の続編。今回は続けて読む並びになったので、両者の世界設定、主人公の共通性が良く判りました。

 今回は荒廃した並行世界地域に未知の生存世界があって、そこが侵略してくる話しです。その世界では我々新人(ホモサピエンス)ではなく、旧人ネアンデルタール)がそのまま文明を築き上げてネット間航行技術を作り出したらしいのです。そして、彼らは無毛の新人種を彼らの世界で敵視して滅ぼしており、並行世界で発見した新人が反映している世界を攻撃してきたと言うのです。

 旧人の世界に拉致された妻を救うために単身敵地に突入し、そこで味方になってくれる旧人ドゾクと出会います。なんか「猿の惑星」みたいです。

 例によって八面六臂の活躍で敵地で自分で並行世界移動機を組み立てたり、友人ドゾクに支給してもらった移動スーツを使ってみたりして世界間を往来して活躍します。

 終盤では移動機によって横方向(並行世界間)だけでなく垂直方向(時間軸)を移動して敵を出し抜きます。結果として敵は主人公の世界の大過去へと送り込まれることになり、彼らは主人公の世界の旧人ネアンデルタール)となったのではないかという推論で終ります。

 うーむ、強引な‥。

 エンターテイメントとして面白いのですが、最後に進化のミッシングリンクに繋ぐのはちょっと無理筋ではないかと言う気がします。SFらしくしたかったのでしょうか?