林檎とポラロイドを見る

 WOWOWのワールドシネマです。

 ギリシャスロベニアポーランドの合作映画。

 突然、記憶喪失になる奇病が蔓延し、大量の記憶喪失者が病院に運び込まれてくる時代。主人公も患者の一人ですが、失踪届もなく新たな人生を始める救済プログラムを受けることに。

 社会に出てなにかをするミッションをテープレコーダーの指令で与えられ、実行した証拠のポラロイド写真を撮ってきてアルバムに貼っていきます。

 公園に行って自転車に乗るくらいは容易ですが、バーに行って適当な女を口説いて一夜の関係を結べとか言われると難易度が高くなります。と言っても同じ境遇の女性患者らしい女性と一線を越えてミッションを達成します。

 で、このミッションをクリアしていく先にどういうゴールがあるのかとドキドキしながら見ていくと、なんとどこにも辿り着かずに終劇。ちょっとビックリします。

 また、あちこちに思わせぶりな伏線があり、冒頭、まだ発症前に家を出かけようとすると近所の犬に飛びつかれ犬の名前を呼びます。中盤で同じと思しき犬に飛びつかれて犬の名前を呼んだので、すわ記憶回復かと思わせますが、不発弾でした。

 同様に郊外にドライブに行くミッションでカーFMから流れてくる曲を全部そらで歌って見せて、「全部覚えているのね?」と突っ込まれたりするのですが、これも不発。

 記憶喪失は偽装?

 そこらへんのスッキリした謎解きはされない映画なので、視聴者を多少選ぶような気はしましたが見ている間は結構楽しく見られますし、次に何が起こるのだろうとドキドキはさせ続けられました。そういう意味では非常に面白かったです。