真夜中のピアニストを見る

 WOWOWです。

 フランスのオーディアール監督特集。

 いわゆるノワールフィルモ。

 主人公は暴力も厭わない不動産ブローカーで父親と一緒に働いており、最近では友人二人とも仕掛けをしています。

 友人が浮気をする時のアリバイ工作を引き受けていますが、友人といるべき時間帯に一人でいる所を友人の妻に発見されてしまいます。で、彼女に詰問されてなんでこんなことをしているのと問われ、「実は君のことが好きなんだ。あいつが浮気することで君が別れてくれればぼくのものにできるかと思って」と言い出します。明らかに苦しい言い訳なのですが、一旦、言い出した以上、言い続けていき本当に一線を越えてしまいます。

 父親の物件を詐欺まがいで横取りしたロシア人(ミンスコフ)から金を取り戻せないかと父から相談を受け、ミンスコフの宿泊するホテルに。そこでミンスコフとプールでいちゃついていたフランス人の娘(メラニー・ロラン)にミンスコフのことを聞いてみると、なかなかどうして手強い娘で、しつこく付きまとって行く内にトイレで襲ってしまいます。

 父に報告すると、おまえは狂っているとののしられます。

 しばらくして父はミンスコフに殺害されてしまいます。

 主人公は昔、母親の教えでピアノをしていたらしく、偶然に音楽学校の恩師と再会し、まだやっているならオーディションを受けないかと誘われます(どうして音楽学校の恩師って無責任にオーディションに誘うのでしょう?)。もちろん今ではピアノなどやっていないのですが、母親のことを思い出して鍵盤を弾いてみると情熱を取り戻します。オーディションまでの短期教師として中国人でフランス語の喋れない留学生のミャオ・リンに教えてもらうことに。

 しかし、オーディションの前夜に友人に重要な契約があるから来いと言われて眠ることもできずに参加して上手く弾くことができませんでした。

 ここで2年のインターバルがあり、主人公はミャオ・リンの夫兼マネージャーとなっています。

 ある晩の彼女のコンサート会場で彼はミンスコフを発見します。彼はトイレでミンスコフを襲って射殺し掛けますが引金を最後に引けません。

 そして、暴力の痕を消して客席に入ってミャオ・リンのピアノを聞くところで終劇です。

 ヴァイオレンス色は強いですが、意表を突く展開と、出てくる女性キャストがみなタイプの違う美人なので、割と楽しく見られました。同監督特集はまだ続くので他のも見てみようかと思います。