すべてはNのためにを見る

 BS-TBSで再放送開始となり、家内が録画したので見ました。小出恵介の淫行事件で地上波では放送できないようですが、BSだとできるのですね。
 初めて見ましたが、これも「湊かなえの怖い話し」です。
 いきなり父親(光石研)が自分が稼いだ金は自分のために使い、俺はこいつ(愛人)と暮らすことにしたからお前たち(妻と娘と息子)は出ていけというのが凄い。
 で、追い出された三人ですが、妻は金銭感覚ゼロで父親からのお手当10万円を振り込まれた日に全額化粧品に使ってしまいます。
 食料を買う資金がなくなったので長女(榮倉奈々)は、愛人の所に行って土下座して食べ物を恵んでもらいます。愛人が柴本幸なのですが、こんな役をできるとは思いませんでした。「新参者」の瀬戸物屋の嫁のイメージが強いからです。

 で、長女は、翌月はお手当が振り込まれた日に卸して長男と一緒に食料を買い出して妻には一文も渡しません。妻は「新しいコートを買いたいからお金を」と相変わらず無神経なことを言い続けます。この妻(山本未来)がスゴすぎます。下手なホラーより怖い。
 長女は上を向いて暮らそうと決意し、将棋メイト(窪田正孝)と野望を語り合います。しかし、彼は「一生、歯を大事にする」などとトボけたことを言って心を開きません。「バルコニーから演説する」という野望を明かした榮倉に海に面したバルコニーを紹介して、そこから演説させます。榮倉は続いて、「一直線の水平線を見る」という野望を打ち上げます。
 窪田の実家は島で唯一の料亭ですが資金繰りに困っており、金策に疲れた母(美保純)は離婚して出ていきます。窪田は父親のもとに残り、東京の大学への進学を目指します。同じことを野望として抱く榮倉と、二人で参考書を買いに島外の書店まで行くのが最初のデートと言った所で第一話終了でした。
 いや、スゴいヘビー級の話しで、さすがは湊かなえです。これで10話もやるんですか?