千葉会:ブラインドフェイスを対戦しました:問題整理編

 ついに対戦してきました。

 率直に言って現状の姿ではBGG採点で4か5しかあげられないと思います。そうではあるのですが、対戦したことで具体的な問題点がなにか明確になったので、修正すれば本作の魅力あるコンポーネントを蘇らせられるのではないかと野心を抱きました。

 修正する前に、まず問題点を整理しましょう。

 ほとんどは戦闘システムに関する問題です。

 対戦することで両側のそれぞれが自身のベストを尽くすには何をすべきか真剣に考えると、次から次へと不自然な現象が発生して絶句しました。

 全部で6つあると思いますが、プレイでの発覚順に説明します。

1:フス戦争における反乱軍の新兵器:装甲馬車(タボール)の圧倒的な機動防御力がゲームには全く反映されていない

 本ゲームでは防御側はできることが極めて限られているので(後述)、そもそも防御兵器はあまり活躍しません。それに加えて、本作では敵の行軍フェイズにインターセプトができるのですが、多くの類似システム(たとえば「ドルイド」や、そのアップデートである「ブーディカ」)と異なって迎撃した側が戦闘では攻撃側になります。なので、タボールの移動力と迎撃能力は存在しますが、それを使うと攻撃側になってしまうので攻撃力の議論しかなされません。

2:防御側は貴重なユニットをスクリーニングできない

 これはHRE(神聖ローマ)の主役ジギスムントが防御側にいた時に発覚しました。

 本作の野戦マップでは、攻撃側は前線に4個までのユニットを配置(義務)し、残りを予備ボックスに置きます。予備ボックスのユニットは敵の射撃の対象外になるのでスクリーンされます。

 ところが、防御側は全ユニットを防御側ボックスに置き、攻撃側は射撃であれ突撃であれ任意の防御側ユニットを選択して実施できるのです。なので、他にどれだけたくさんのユニットがいようとも、いきなりジギスムントが狙い撃ちされてしまうのです。

3:防御側は籠城しない

 これは筆者が先に気づいたのですが、籠城した状態で攻撃側の射撃戦闘でブリーチ(城壁開口)が発生すると防御側は全滅です。ところが、野戦なら攻撃側は防御側のユニットを一つずつ攻撃して除去しなければならないので、なにがしかのユニットが生き残る確率は野戦に討って出た方が高いのです。ただ、実はこれもあまり意味がないことが以降で判明します。

4:防御地形には何の値打ちもない

 これは前記3項から導かれるのですが、籠城した方が全滅しやすくなるので防御側は籠城しません。ですから、都市や要塞と言った防御地形には実質的には何の防御効果もありません。

5:防御側のユニット数は何の意味もない

 これは2項で書いたように、攻撃側の射撃でも突撃でも、攻撃側がペアリング決定権を持っています。

 なので、攻撃側はノーリスクで除去できる防御側ユニットだけを選んで攻撃すれば、敵が幾百ユニットあろうとも、ノーリスクで敵のザコ(射撃能力も戦闘修正も持たないユニット)を全部除去できてしまうのです。

6:HREスタックは、すぐにザコだらけになる

 5項が発覚するのは、実はHRE側はすぐにザコばかりになるからです。HRE側は教皇十字軍を宣言して、教会騎兵を大量に動員できます。これがHREの強みなのですが、結果として、このザコ(射撃能力も戦闘修正も持たないユニット)ばかりが増えていきます。そして、行軍すると25移動力を持つ騎兵が10移動力しか持たない歩兵を置き去りにして敵地へ達するので戦闘時には往々にして教会騎兵ばかりの烏合の衆で戦うことになるのですが、5項の通りで何の役にも立ちません。

 

 という6項目が問題と思います。この内で戦闘システム以外の問題と言えるのは6だけですが、6が何の意味も持たないのは戦闘システムの問題である5のせいなので、間接的に戦闘システムの問題と言って良いでしょう。

 結論としては、戦闘システムは白紙から新規のものをデザインしなおす必要があると思います。

 ただ、問題点がはっきり整理できたので、どういうものを作れば良いのかはイメージが湧きましたから早々に素案を作ってしまおうかと思います。