茨城会:ナポレオン、運命に抗う者を対戦プレイする

 筆者の思いつきに水戸爺さんにお付き合いいただき実現いたしました。

 12時半くらいに集合して、17時過ぎくらいに最終ターンまで完全終了しました。ですので、4時間半くらいでコンプリートできたという結果です。
 感想戦の記憶をいくつか箇条書きにしておきます。

1:上述の通り半日で終了する良好なプレイアビリティ。
2:前半はかなり流動性が高く、シチュエーションが非常に面白いです。
3:ナポレオンが押し込まれてパリ防衛戦に専念するようになると、その機動防御力(迎撃)と戦闘能力(戦術値4)が強力で、いわゆる「六日間の栄光」が盤上で再現され、14年戦役の見応えがありました。
4:一方、そこにいたるまでにプロイセン軍が参戦した直後に電撃戦(うそ)でパド・カレーを陥落させ、そこから左旋回してパリを一時は奪取するという大陸同盟の見せ場も生まれました。いわゆる諸国民の戦いにはならなかったのですが、戦闘正面が広くナポレオン一人で戦線を支えられない時期にはフランス軍は危機にあることが判り、これも見応えありました。
5:最終的にはナポレオンがプロイセン国境を機動防御で支え、しからばとオーストリア軍がイタリアを押してみましたが返り討ちにあって全滅。スペイン国境はスペイン軍が国境を越せないため、ウェリントンの1スタックでは攻勢に出るに足らず、最後はフランスが最終ターンまで粘り抜いてフランスの勝利となりました。

 カレーとパリを陥れた時には勝てるかもと思いましたが、本気のナポレオンが転進して反撃に出てくると、オランダへと追い返されてしまいました。まぁ、なんだかんだ言うてもナポレオンは強いですわ。
 12年暮れから14年秋までの2年間という、ナポレオンが劣勢になって苦労する時期のキャンペーンゲームとしては良くできていると思います。国産ナポレオニックの中ではベストなのではないでしょうか。「戦争と平和」の14年シナリオの時の話しが出て、ナポレオンが内線の利を生かしてパリを機動防御すると、それをノックアウトするほどには同盟軍は強くないという結論は同じで、これがナポレオンの13―14年戦役に対する各デザイナーの一致した評価なのかと思いました。
 ただ、12年暮れから始めることで、「戦争と平和」の13年シナリオや14年シナリオよりは面白くなっていると思います。

bqsfgame.hatenablog.com

 上記で『プレイアビリティと一定のプレイヴァリューを持つナポレオニック戦略級ゲームには、他に候補が見当たらない』と書いてあるのですが、本作はプレイアビリティ合格、プレイヴァリューも十分あると思います。

 そうか、日本には「運命に抗う者」があったのか!

 このゲームは再版・復刻されて良いのではないかと言う評価で合意しました。