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bqsfgame2005-08-04

ソウヤーの1995年のネビュラ賞受賞作品。
途中までは素晴らしく面白い。さすがはソウヤー、さすがにネビュラ賞受賞作‥などと思っていたら最後はバタバタっと終わって、あれれと肩透かしを食った感じ。
魂の存在の検知、人間の脳活動をコピーしたAIの作成、そして夫婦生活、殺人事件。SFSFしたギミックと、ミステリーが並行して走り、最後は融合した結末を迎えるのではあるが‥。
ともかく呆気ない。そして、思わせぶりではあるがエンディングにしては軽くて不親切な感じのエピソードで幕を閉じる。最後は電脳空間の激闘になるのであれば、読みにくくて個人的には好きでなかったが「ニューロマンサー」の方が作品を読み終えたときに作者が何をしたかったかがわかりやすくこちらに伝わったような気がする。
ソウヤーだから期待しすぎていたという部分もあるかも知れないが、個人的には最後のページをめくった後には満足感が得られずフラストレーションが残ってしまった。
ただ、だからと言ってこの作品がレベルが低いというわけでは全くなく、むしろレベルは高い。最後だけが惜しい気がするのだ。