○物語力で人を動かせ!を読む

bqsfgame2006-07-15

メールマガジンで紹介されていて非常に面白そうだったので購入。
悪くないと思うのだが疑問なところもあり難しい本だと思った。
ロジカルシンキングが喧伝される中、ロジックを補強する物語力によるメッセージの重要性を示している点が最大のポイント
②物語力の重要性や威力を説く本である割には、肝心のこの本の書かれ方に「物語力」の威力が十分に発揮されていない。1章の導入のインパクトが弱く、2章からノウハウの説明に入ってしまう。結局、力強いメッセージを感じるのはようやく6章になってからなのだが、これは遅すぎるだろう。立ち読みでの見計らいであれば、1章が弱い時点で棚に戻して終わり。
③6章まで辿り着ければ「物語力」が単なるプレゼンのテクニックではなく、それ以上のものであることが明確になる。しかし、そこまで読まないといけないというのはミステリー小説ならいざ知らずビジネス書では不親切だし、本としても営業戦略としては余り成功しそうな印象を受けない。
④そうした不親切さや営業戦略としての不成功感を受けてしまうので、肝心の物語力の威力にも説得力が今一つ欠けて響いてしまうのが残念。
個人的な意見を言えば、会社と言う組織では合理的な決断というのは意外にされず、もっとメンタルなところで物事が決まることが多いという気がする。その意味で合理的な判断に基づいたプランが正しく実行されるように物語力を駆使するミドルが必要だと言う気がする。その意味でこの本のメッセージは正に適切かつ重要だと思う。だからこそ、この本にはもっとインパクトがある書かれ方をしていて欲しかったと思う。期待が大きかっただけに非常に残念。