GCACWの流れ

GCACWシリーズはシステムにマッチングする題材から順に出版されてきたと思う。このため年代順には並んでいない。また、南北戦争はWW2などと違い、年がら年中常に主戦場では戦火を交えていたような時代ではまだない。このため、シリーズ作品を並べても期間が隙間なく連なるわけでもない。シリーズ最新作の「グラントテイクスコマンド」は時代が飛んで後になり、次回作はシャーマンのアトランタ戦役と噂されこれまた飛んでいる。
その意味では「ストーンウォールジャクソンズウェイ」から「ロードトゥゲティスバーグ」までが東部戦線の戦争中盤までを描いた一まとまりとして完結したと見て良い気がする。
●ストーンウォール・イン・ザ・ヴァレー:1862/3-6
ジャクソンのシェナンドア峡谷キャンペーン。ベーシックシナリオ4つは、それぞれ3、4、5、6月を扱っている。此処でマクレランの半島侵攻がありジャクソンは長駆リッチモンドへと取って返し、マクレランにとってまさかの南軍増援となって登場し北軍の意図を挫くことになる。
●オントゥリッチモンド:1862/4-7
いわゆる半島戦役の全貌を描いたゲーム。マクレラン率いる北軍大部隊が、リッチモンド攻略による戦争早期終結を目指した大侵攻作戦。7デイズバトルをクライマックスに、前哨戦から退却戦までが描かれている。ベーシックシナリオで最大の7デイズバトルは、6月25日から7月1日まで文字通りの7日間を扱っている。
●ストーンウォール・ジャクソンズウェイ:1862/8
仕切り直しで南軍が北部へ大規模な部隊で侵入した第二次マナッサス戦役。次の「ヒア・カム・ザ・レベル」と時間的にも戦場的にも接続している。
●ヒア・カム・ザ・レベル:1862/9
サウスマウンテンからアンティータムまで1862年秋のクライマックスと言って良いと思う。ただ、GCACWのスケールで扱うとシリーズ第一作の「ストーンウォール・ジャクソンズウェイ」の方が面白かった気がする。サウスマウンテンシナリオ以外は、プレイアビリティとプレイバリューのバランスが前作に比べてイマイチだったという記憶が微かにある。
●ストーンウォールズ・ラストバトル:1863/4-6
翌年のチャンセラーズヴィル戦役。このゲームはベーシックシナリオが4つあるが、全て1ターンか2ターンしかない。プレイ感が手頃なものがなくて唖然としてプレイしないまま‥(^_^; タイトルにある通り、此処でジャクソンが戦死したことがゲティスバーグに向けて大きな因子だったか。
●ローズ・トゥ・ゲティスバーグ:1863/6-7
言わずと知れたゲティスバーグ戦役。意外なことだが本作も良いベーシックシナリオがない。架空戦にソロシナリオが2つにゲティスバーグの初日だけとか妙な具合だ。結局、ゲティスバーグのクライマックスを扱うシナリオしか選択肢がない気がする‥(^_^;
こうして改めて振り返ってみると、GCACWのスケールやシステムが一番生きていたのは、自分でプレイしたことのある範囲では「ストーンウォール・ジャクソンズウェイ」だったと思う。シリーズが2作目、3作目と進むにつれ、熱意が薄れてしまったのは今にして思うと当然かも知れない。
プレイしていないのだが良さそうなのは「ストーンウォール・イン・ザ・ヴァレー」。基本的にはGCACWは点が起動して激突するゲームであり、機動の余地と選択肢が多くないと面白くない気がする。その意味では一見サイズ的には適当そうなシナリオのある「オントゥ・リッチモンド」がプレイするとイマイチなのはその辺に原因がある気がする。
シリーズ化して様々な戦場がプレイできるようになったのは素晴らしいし、コレクター精神を刺激すること著しいが、プレイして楽しむゲームとしてみた場合には半分くらいの収率だろうか‥(^_^;