SGC例会:ミッションレッドプラネットを対戦プレイ

bqsfgame2006-12-20

ブルーノ・ファイドゥッティの最新作。
スチームパンク的な設定の火星植民開拓ゲーム。ファイドゥッティらしい特殊能力選択と、その順序解決が、適度にアバウトな感じの火星開拓のフレームワークと上手くマッチングしている。
プレイヤーの立場は地球から植民者を送り込む企業。各プレイヤーは、その手先としてリクルーター、サイエンティスト、シークレットエージェント、テロリスト、ソルジャー、パイロットなどを抱えている。毎ターン、各プレイヤーは同時に自分の手札の中からどの手先を選ぶかを決めて同時公開する。手先によって解決順と特殊能力が決まっており、これを織り込みながら全員が火星行きのロケットに乗り込み、満員になったものはどんどん発進、火星に到着して現地に植民していく。
特殊能力の醍醐味はファイドゥッティならではだが、「操り人形」では一つの共有デックから全員が順番に選んだので時間が掛かった。それに対して、このゲームでは各自のデックから同時に選ぶのでサクサク進む。このスピードアップは嬉しい。
また、「フィストオブドラゴンストーン」では勝者を止めるための犠牲的なプレイを強いられる辛さがあったが、このゲームでは勝利得点にシークレットボーナスがあるため誰が勝っているかは適度に不透明なのでそこまで煮詰まったプレイをすることはない。これは好みの問題だと思うが、煮詰まらないゲームの方が広い範囲に受け入れられやすいようには思う。
プレイ時間はインストから片付けまで2時間ほどだったろうか。
途中、moonさんが覗きに来て「ボクがやったときとは全然違う展開ですね」と言っていった。今回は豊かな火星、意外なほどテロの起きないロケット飛行だった。
ファイドゥッティ作品はいくつか見てきたが、コンポ的には小品でありながら意外な重さを持つ「操り人形」より、プレイ感が適度に軽く誰とでも遊べる気がした。確かにテロリストやソルジャーによる他プレイヤーを直接攻撃できる点はアメリカンな感じでドイツゲーマーで嫌いな人もいるかと思う。しかし、その影響は限定的な上に、毎回、そういうカードばかりは選べないのでウォーゲームのようなことにはならない。良い意味であっさりと上手くまとまっているのではないかと思う。
その一方で、ファイドゥッティの火星開拓と聞いて、もっと重厚で複雑なものを期待していた向きには少々拍子抜けかも知れない。
プレイの方は、彗星さんと、Oさんが紛争、Yさんが大きく出遅れる中、一人黙々と火星上の人員数の優位を築いて、最後にアイスボーナス(いちばん安い資源だが大量に集めるとボーナスが付く)をもらったりして51点で勝たせてもらった。SFゲームで勝てたのはとても嬉しい。以下、Oさん40点、彗星さん38点、Yさん27点。