インドパキスタン戦争:1965年シナリオをソロプレイ

bqsfgame2007-02-24

ミランダのS&Tのインドパキスタン戦争の1965年シナリオを並べてみた。
率直な印象として、
1)ゲームとしては単調でつまらない。理由として両者とも戦力、兵站能力が不足しており、その割に戦線が広く、戦略目標の防御効果は高い。後からセットアップして先に移動するパキスタンは最初の奇襲効果を得ることができ、戦力に恵まれたカシミールでは緒戦で戦果を挙げられるかも知れない。しかし、攻勢を持続するだけの力はない。インドは全体としてはパキスタンの戦力を上回っており、パキスタン戦力が脆弱な東パキスタン、もしくはパキスタン兵站線に問題があるならカシミール正面の側面攻撃などで反撃でき、緒戦の借りくらいは返せそうに見える。しかし、両者とも敵陣深くに侵攻を続けるような能力はなく、史実同様にステイルメイトに向っていきそうに見える。
2)シミュレーションとしては史実に近い結果が導かれそうで妥当に見える。カシミール正面だけでなく西パキスタン−インド国境の全域、さらに東パキスタンもカバーした地図が用意されており両者の全局的な構図が理解できるようになっているのは本ゲームの「トピックスの歴史的事実を良く理解してもらおう」というスタンスを示しているように思える。
3)1965年から90年代の仮想戦までを一つのゲームシステムでプレイするため、システムデザインは非常に興味深い。特にC3Iレーティングを用いて、レーティング1のユニットは1ターンに1プレイヤーターンしか行動できないのに、2なら2回、3なら3回行動できるようにして出来ることに劇的な差を設けているのは興味深い。また、ソヴィエト軍のエシェロンドクトリンを再現するようにソヴィエト軍の各ユニットは1回しか行動できないが、ユニットごとに何回目のプレイヤーターンを行動するか選べるようにして、波状攻撃による縦深突破ができるようにしてあるのも興味深い。たいへん残念なことに、1965年シナリオでは、全てのユニットはC3Iレーティングは1であり、大国の介入ルールも今回は用いなかったので、普通の1プレイヤーターンずつのゲームでしかない。しかし、WW2的な戦争から現代戦までを一つのシステムでカバーする整理されたシーケンスは、さすがミランダと思わせる。
4)空戦ルールもシンプルで整理されている。ただ、マップにしても、ユニットにしても、縮尺が大きすぎてエアランドバトルの妙味を感じさせるには不適当なのではないかという疑念は少々感じる。言ってみれば、「ネクストウォー」におけるエアランドバトルはどうしても抽象的にならざるを得ず、その作戦運用の妙味に迫るにはやはり「エア&アーマー」のスケールが適切なのではないかということを、此処インドでも感じる。その意味ではゲームとしては、やはりタイ・ボンバの「ファイアーネクストタイム」の方が面白いところで切り出している可能性を感じた。やはり両方ともやってみて比較しなくてはならないだろうか‥(^_^;