移動・射撃・格闘戦・機体発熱記録を繰り返していくシステム。イニシアチブを取った陣営の機体が最後になるように両陣営が交互に行動する。特徴的なのは発熱記録だろうか。機体運動と被弾による熱発生が、機体の放熱性能を上回ると、どんどん内部が温度上昇して移動力減少、パイロットの集中力低下、さらに無理を続けると弾薬の誘爆などを招くようになっている。
ゲームルール自体は、個別に読んでいくともっともらしいので抵抗はないが、なにせ分量が非常に多く、FASAの常として記述が合理的に整然としておらず、見やすいプレイエイドにまとめるという努力も中途半端なのでプレイアビリティは今一つ。「バトルテック」は版を重ねて4版にもなっているのだが、それでもルールの完成度はイマイチである。
しかし、圧倒的なメカのガジェットの豊富さと、シナリオ集などに反映される設定の厚みが財産で、今でもプレイされている。
FASAでは少し遅れて「レネゲードレギオン」という戦術級から戦略級まで連動した巨大なシリーズゲームをもう一つ出している。後発の分だけ、シリーズ全体の諸作品の役割分担をきちんと考えてデザインしているのが「レネゲードレギオン」の魅力だが、残念ながら人気自体は「バトルテック」の方が今でもあるようだ。ちなみに、両方とも兵士として遍歴を重ねるRPGゲームまであって、「バトルテック」の方はパイロットたちの通称である「メックウォリアー」のタイトルである。
残念ながらシリーズ全体としての設計は、後追いで繋いで行ったためか芳しくないらしく、「バトルテック」と「シティテック」は版を重ねているが、他のシリーズゲームは今では見掛けない。