ルールの疑問点

プレイ前にルールを読んだときに、ルールに先入観にそぐわない点があり勝手に解釈していたのだが、後でBGGで確認したら本文が正だった。と言うことで、今回のプレイには一部間違いがあった。残念。
具体的には、企業保有および銀行保有の株式持分に対する配当の処理。
1)プレイ時の解釈、ほかのヘクトのゲームと同様に持ち主に支払い。つまり、企業保有分は企業へ、銀行保有分は銀行へ(つまり実質的には支払われない)。
2)本文の記述、実は全く逆。企業保有分の配当は支払われない、銀行保有分の配当は企業に支払われる。
言い訳めくが、実態経済の反映として考えれば1が当然だと思うし、ほかのヘクトのゲーム(EU)も実際にそうなので疑問を持たずにそう解釈したのだが、プレイしてみると確かに2がVAでは妥当な印象を受けた。
具体的には5株会社が早めに増資を決定すると、増資した結果として手元に大量の未発行株が残る。これらは6株目が購入された時点で銀行へとまとめて引き取られる。
このときに、銀行へ引き取られる前の段階では、会社に大量の保有株があるので配当を出すと実質的に半分留保したかのようなキャッシュが会社に残るようになり、会社経営上は非常に有利になる。その結果として、早くから上市して市場流通している優良会社より、未成長で早期増資した会社の方が運営が楽だと言う結果作用としてみるとおかしなことが起こった。
対して2のルールだと、増資分の引き取り見通しが立たない時点で増資することは、社長個人への配当が薄まってしまい、会社保有の未販売分の株式の配当が銀行へ流出するのでプレイ上は極めて不利益なため選択されなくなる。
結果作用としては、増資分が市場ですぐ販売できる見通しが立つタイミングまで増資は延ばした方が良く、こちらの方が合理性がある。
このあたり、ミクロに見ると1の方が合理性があると思えたが、プレイすると結果作用として2の方が合理性があった訳で、ゲームシステムが実際に運用したときにどう作用するかルールを読んだだけでは予測しきれない好例だった。