筆者がサージャント・スローターの次に好きだったのは、クリス・アダムス。
こうなると渋いを通り越して、「それ誰だっけ?」と言う反応も。
初代タイガーマスク全盛時に来日して、ジュニアヘビー級+αくらいの体格だったこともあって、何度か非常に素晴らしいファイトを展開した。
得意技はスーパーキックと言う後ろ蹴りだが、割と何の前兆もなくいきなり試合の序盤から相手の顎を下から上へとスパーンと打ち抜いてしまう。スーパースターのフライングボディアタックもそうだが、間違っていきなり試合を決めてしまいかねない威力の技だった。初代タイガーマスクがこれで口の中を切って流血し苦戦したのはタイガーマスクファンならご記憶かも知れない。
ちなみにスローターも参加した第4回MSGシリーズに参加。しかし、スローターやダンカンでさえ脇役と言うシリーズにあっては白星配給係りだったのは止むを得ない。
世界のプロレスが始まってからはダラス地区の試合が良く映ったので、鉄の爪兄弟の客分としてのファイトをしばしば見ることができた。非常に優遇されていて時のNWA王者フレアーに一度ならず挑戦していた。
その挑戦試合で、ゴークリスゴーの声援がこだまする中、突然ロープを利用した反則プレイを始め、怪訝そうな観客の反応。悪徳マネージャーのハートと結託してのヒールターンだった。今から考えれば同地区の人気ヒールユニット、ファビュラスフリーバーズ転出に伴う次期ヒール育成のブックだった。
同じイケメン悪役のジノ・ヘルナンデスと組んでのダイナマイト・デュオは大成功し、新日本プロレスに来日することになった。ところが、来日直後にヘルナンデスが急死してしまった。
結果、藤波・木村のIWGPタッグ王座への挑戦は、ジャッカルとの急造コンビに変更された。ところが、この急造コンビでもほぼ完全に木村をピンフォールしてしまった。もちろん猪木・坂口組を倒したばかりの新王者がいきなり急造チームに負けたりしては困るので、ここでもミスター高橋の異常なスローカウント‥(^_^;
最後はアダムスがオールドスクールに失敗して股間をトップロープに打ちつけたダメージでフォールされて予定調和した。
しかし、それにしてもアダムスは恵まれない人で、指導者に転じてストーンコールド・オースティンを育てながら、愛妻をオースティンに寝取られてしまい名伯楽になり損ね、最後は42才で友人と酒の席の諍いから正当防衛として射殺されて亡くなった。