☆新参者を読む

bqsfgame2011-04-28

図書館で何週間も予約待ちして借りた。
読み始めたら二日間で読み終わってしまって、なんとなく損をしたような気もする。
しかし、これは良く書けた本だと思う。一応はミステリーの範疇に入ると思うが、人情味溢れる下町を連作短編で描き出したタウンノヴェルでもあるように思う。
非常に読みやすく、長期に渡って断続的に書かれたにも関わらず、シームレスな仕上がりになっている。
しばらく前にドラマが放映され、ドラマの方もなかなか良かったのだが、原作の方が数段上回る出来栄えだ。ドラマに出てくる黒木メイサ溝端淳平の役は小説にはなく、ない方がずっとすっきりしていて読みやすい。ドラマに出てくる毎回のように惜しくも買えないタイヤキ屋のエピソードなどもない。
それでも原作を先に読んでいてからドラマを見たら腹立たしく感じたであろうから、まだしも逆の順番で良かったと思っている。
次回作は麒麟の翼と言うことで再び加賀恭一郎ものだそうで、これも楽しみだ。