なつかしの昭和プロレス:WCCWテキサス

bqsfgame2011-05-21

CWAまで紹介したので、大方の予想通りに次はWCCW。
WCCWと言ってもピンと来ない人でも、鉄の爪王国と言えばわかるに違いない。テキサス州ダラスを中心に興行したエリック一家の組織である。
三大団体以外の独立系の中では有力な組織であったことから、世界のプロレスでも良く放映された。そして、エリック一家をベビーフェイスの主役としたブッキングながら、敵役の悪役のキャラを良く引き立たせるブッキングで、多くの新興悪役レスラーを成長させて全米マットに輩出した。
ヘイズ&ゴーディのフリーバーズ、アダムス&ヘルナンデスのダイナマイトデュオ、キングコング・バンディなどは、他のエリアでも通用する悪役となってエリアを出て行った。そして、彼らが出て行くと、このエリアはまた新しい悪役を生み出して成長させていった。
組織上はCWAと同様にNWA加盟団体だったので、NWAチャンピオンがやってきて防衛戦をしていた。これも世界のプロレスで見ることができたので記憶されている方も多いと思う。
デビッド・フォン・エリックがNWA王者間近とまで言われるところまで来たが日本で変死、その弔い合戦でケリー・フォン・エリックがダラスで戴冠したのは非常に印象深かった。ケリーは横須賀でフレアーに敗北して失冠、以後、WCCWはNWAメンバーとして影響力を高めるよりは、独立色を強めていく。
AWA直属に近くなったCWAのローラーと、WCCWのケリーとで両団体の王座統一戦を実施し、団体同士も統合USWAとなった。しかし、これは一時的なもので終った。
鉄の爪一家は上述のデビッドの変死の他に、ケリーも麻薬使用で逮捕されて自殺、マイクも精神安定剤中毒で自殺、一番下のクリスも自殺と言われている。
CWAとの合併は、旧NWA系の中でクロケットジュニアと肌が合わない同士の連携策だったようだが、ローラーをエースとする新団体はエリック一家の構想とは異なっていたのか早々に離脱。
フリッツ本人が癌で亡くなり、鉄の爪一家はプロレス界への影響力を失った。ちなみにWWEの殿堂にエリック一家として迎えられ、唯一の生存者であるケヴィンが授賞式に参加した。