☆どろんころんどを読む

bqsfgame2013-03-22

北野勇作の2010年のボクラノSFシリーズの一作。
これは北野作品の中でも快心作です。
お馴染みのカメ型ロボット、ヒトデナシなどが登場してきますが、主人公は新型のカメ型ロボットを宣伝するためのアーテフィシャル・リトルガール・セルアンドロイド、アリスです。
つまりは北野版の不思議の国のアリスになっています。
アリスが電源休止状態から復活すると、そこは人間が姿を消してしまいどろんこまみれになった世界。そこに、かつての人間の社会を真似して復元しようとしているヒトデナシたちが住んでいます。一体どういうことなのか、今もどこかに人間がいないのかアリスは、商品のカメ型ロボットと道案内のヒトデナシと3人(?)で旅に出たのです。
500ページのボリュームがありますが、読みやすくてあれよあれよと言う間に終ってしまいます。
このシリーズはイラストに比重を置いていて、豊富なイラストが挿入されています。その意味では文庫化しにくいイラスト一体型作品です。図書館で借りて読んだのですが、これはこの版形で持っておきたい作品かも。ちょっと思案中。