×極北ラプソディを読む

bqsfgame2013-04-29

NHKのドラマ「極北ラプソディ」が良かったので。
で、前編の極北クレイマーから読んだら面白かったので、かなり期待して入りました。だいたい、このパターンは危ないのですが案の定でした。
クレイマーは破綻寸前の極北市と市民病院が主役の組織ドラマでした。
それに対してラプソディでは極北救命センターのドクターヘリから入って、ドクタージェット構想へと繋がります。そこには破綻した地方医療の再生には、既存の自治体の区割りは不合理で、それを超えた医療体制の確立が必要とのメッセージがあります。医療の現場にいる作者のメッセージは重みがあり、それなりの読み応えがあります。
ただ、小説としての面白さではクレイマーに劣るような気がします。特に、医療に関する問題意識と言う繋がりで作者の様々な作品とリンクしていますが、極北市の物語の続編としての意義はほとんどありません。