対戦4回目となりましたが、まだまだプレイすると難しく感じます。
「ソマリアの海賊」もそうですが、通常のウォーゲームのセンスは邪魔になります。
精鋭部隊を購入して敵を戦闘で撃破すると、どうしても勝っているかのような感覚に陥ります。
特に戦闘でポイントを得て、さらに地域支配を確立して地域支配点も得られると、作戦目的を達したような気がしてなりません。
ところが、このゲームでは本当にそれで勝利に近づいているかどうか、よくよく検討する必要があります。
このゲームでは、全てはネットウォーポイントで処理されます。
まず精鋭部隊を買うために、ネットウォーポイントを支払います。此処で、損を先にしていることを忘れてはなりません。
さらに、戦闘で敵部隊を撃破しても、CRTの特性で部隊撃破とVPは比例しません。敵を撃破したけれども、VPは敵に付与されることが多いのです。これは、特に直接軍事力に訴えるタイプのCRTほど、この傾向が強いので要注意です。高価値地域で相手をオーヴァーキルすると、戦闘に勝って勝負に負けることがしばしば起こります。
さらに、そうやって高価値地域を制圧すると、今度は相手の攻撃の目標になります。相手に攻撃されて、それが成功した場合に、高価値の地域ほど相手に与えるVPが大きいのでリスクが増すのです。
ですから、先に支払った損と、後で発生したリスクまで考えて、それで本当に総合的にネットウォーポイントで考えて儲かっているのかどうか考えないといけません。
普通のウォーゲームでは在り得ないことですが、本ゲームでは盤上の敵を全滅させた結果としてポイント的に敗北してしまうことさえ考えられます。
「戦争は手段であり、目標は国際世論の支持を得ること」なのだと言うマスメディアが同時中継してしまう時代の現代戦争の難しさを痛感させるゲームです。
しつこいようですが、繰り返しておきます。
本ゲームは、COINシリーズとは全く別のアプローチで現代不正規戦闘の姿を認識させる傑作です。現代戦に関心を持っている人は必見です。