千葉会:レジェンドビギンズ:ロンメル到着を対戦プレイする

千葉会でレジェンドビギンズを対戦してきました。
対戦プレイは10年以上ぶりでしょうか。
シナリオ3のロンメル登場を枢軸軍側でプレイしました。1941年3月末に始まり、6月末まで7ターンの設定です。8時間ほど掛けて、5ターン目の終わりくらいまでプレイした所で時間切れとなりました。結果だけ先に書けば、引分けでした。
このシナリオは、ライノゲームズ版のオリジナルの開始時点に当ります。ライノゲームズ版は、後に拡張キットと言う形でロンメル登場以前をプレイできるようになり、テランゲームズ版以降は、拡張キットが本体に取り込まれました。多くの北アフリカ戦ゲームはロンメル登場以降からスタートするので、基本的には此処がキャンペーンのスタートと言ってもそう間違ってはいないでしょう。
ロンメルの登場で反撃に転じる枢軸軍の最初の目標はベンガジです。この時にイギリス軍の最前線に突出しているイギリス第2軍を捕捉撃破できるかが最初の焦点です。第1ターンから第2ターン前半に掛けて、捕捉し損ねてベンガジの北まで撤退を許してしまいました。これは仕損じたかと思っていましたが、その後にドイツの連続インパルスが発生してベンガジの北で捕捉、敵の退路を断って攻撃、撃破に成功しました。さらに、前衛部隊を一路デルナへと送り込みます。
第21機甲師団だけではトブルクを攻めるには力不足なので、第15機甲師団が揃うのを待ちます。このゲームでは海上輸送がプライマリーセグメントにしかできないので、結構な時間が掛かります。その待ち時間の間に、せっせとトラックで補給物資を前線に移動します。
そろそろ兵力も揃ったかと言う5月の初めに、意外なことにイギリス軍から反撃に転じてきました。トブルク南方に展開していた兵力の最右翼に位置するイタリアのアリエテ師団に主力部隊による攻撃を実施してきたのです。マグニチュード(戦闘の規模)3の大戦闘となりましたが、イギリス軍は前進に失敗、損害は両軍ともに5ステップだったかと思います。このゲームでは奇数ステップ目を相手が選ぶので、1,3,5ステップ目を互いに敵戦車に割り振り、両軍ともに戦車の損害が一気に嵩みました。
しかし、アリエテ師団が踏ん張ってくれたので、アリエテ師団でイギリス軍の偵察大隊を牽制攻撃、そしてドイツの精鋭2個機甲師団でイギリス軍の機甲師団に全力攻撃を実施します。結果は、アリエテ師団が蹂躙に成功して英機甲師団の包囲に成功、その結果主力攻撃は退却の追加損害を加えて5/6と言う結果になりました。これによって英機甲師団の攻勢能力は事実上喪失されました。
機甲部隊の主力戦闘に一応は勝利した形となりましたが、ゲームの勝利条件は、ベンガジ、トブルク、バルディア、シディバラーニ、メルサマトルゥーの5つの拠点の内の3つを制圧することです。ここまで枢軸軍はベンガジしか確保しておらず負けです。そこで、枢軸軍はトブルクをイタリア歩兵で包囲して連絡線切れにし、その上でバルディアに攻勢を掛けました。バルディアにはインド師団がいるだけでしたが、要塞の防御力3倍+攻撃側損害2倍の効果はものすごく、ここにドイツ軍の装甲部隊の攻勢能力も事実上喪失する結果となりました。それでも、辛くも5月末にはバルディアは陥落し、結果としてドイツが2カ所、イギリスも2カ所、トブルクは連絡線切れのためカウント外となって引分けの結果となりました。
6月が2ターン残っていたのですが、時間が遅くなったことに加えて、上述の通り両軍ともに装甲兵力の衝撃能力を喪失しており、重要拠点を奪取できる見通しが立たないことから引分けで合意終了しました。
感想ですが、10年ぶりくらいにプレイしましたが、やはり面白い。もりつちさんも書かれていますが、本作は個別のシナリオで十分に、その戦闘だけを扱った他のボックスゲームに見劣りをしないプレイバリューを与えてくれます。ロンメル登場のシナリオだけで、ほぼ一日掛かりましたし、そのプレイ時間に見合うだけの醍醐味がありました。下手な北アフリカ戦線のシリーズゲームを揃えるよりも、レジェンドビギンズ一つ持っていれば良いのではないかと思うほどです。
また、鬼才シモニッチの出世作の一つですが、その中でもこれがベストなのではないかと思います。これと比べると、ハンニバルはシステムがウィーザピープルの流用である点でオリジナリティに劣りますし、キャンペーントゥスターリングラードソビエト軍の戦力を過大に評価している難点があると思います。
個人的にもライノゲームズに直接手紙を書いて個人輸入した懐かしい作品で、他ならぬシモニッチ本人と手紙でやりとりした思い出があります。
かなり重量級の作品なので、気軽に何度もやることは難しいですが、いずれまたやりたいものです。