○空襲警報を読む

bqsfgame2014-08-01

ベストオブ・コニーウィリスの後編になる。こちらはシリアス編。
この纏め方には難点がいくつかある。
まず、タッチが近いものが集まってしまうので変化に乏しくなる。また、ウィリスの18番テーマである、ロンドン大空襲ものがかぶってしまっている。5編しかない短編集で同じテーマがかぶるのは、ちょっとどうかと言う気がする。
そうした問題を感じた分だけ減点したので、☆は付けられなかった。
と言っても、そこはウィリスの受賞作が並んでいるのだから、質の高さは折り紙付きである。
巻末が「最後のウィネベーゴ」と言うのは、センスが良いと思うが、初めて読んだ時のようには泣けなかった。全ての伏線がどこへ収束するか予め判っていると、まぁ仕方がない所だろうか。
ダンワージー教授シリーズの出発点である表題作は、ロンドン大空襲テーマ。バトルオブブリテン好きには嬉しい題材だが、火災監視員の仕事はウォーゲームには出てこない‥(^_^;
ロンドンの地下鉄網を舞台にした「マーブルアーチの風」は、日本版オリジナル短編集の表題作だが個人的には未読だったので初めて読んだ。ロンドンの地下鉄網も、地下鉄ゲーム「オン・ジ・アンダーグランド」で大好きなテーマの一つ。
「ブラックアウト」と「オールクリアー」も読みたいのだが、本書を読んでウィリス不足を補充したので、もう少し先でも良いかな?