○谷垣禎一の興味津々を読む

bqsfgame2015-04-14

昨年12月に発売されたばかりの対談集。
谷垣氏が2008年から2014年まで、各界の識者と対談したものをまとめている。
面白く読めたのだが、苦言をいくつか。
谷垣氏が各界の識者から各界の叡智を聞きだす構成で、あまりご本人は表に出てこない。
結果として、あとがきで編集者が言っている通りで、谷垣氏が「真摯で間口が広く、引き出しがたくさんおありの政治家」であることは伝わってくるがその範囲を越えていない。
言い換えれば、谷垣禎一の人となりを知らない人が読むには良い本だと思う。一方で、谷垣氏の言動に注目してみてきた立場から見ると、もっと今までの谷垣を越えた部分を読みたかったと思う。
時期的に、財務大臣自民党総裁、幹事長など、責任ある立場にいるので、国政にかかわる重大事であまりに私見に過ぎることを発言できないというのはあったかと思う。それは、谷垣氏らしい慎重さではあるが、それだけではいつになっても今の立場を突破できないように思う。
対談集全体を読む暇がない人は、最初の堤清二さんと、最後の柳沢元大臣の二つだけでも読んでみて欲しい。
柳沢元大臣とのプライマリーバランス議論では、柳沢氏の意見が延々と展開されるだけで、財務大臣だった谷垣氏の意見が見えないのが非常に残念だが。
もう少し肉食になってもらわないと、谷垣氏の活躍の場は広がらないだろうか?