○サンリオSF文庫総解説を読む

bqsfgame2015-04-13

凄いですね、とうとうこんな本までできてしまって‥(^_^;
サンリオSF文庫は、神話になって良い特殊性を持った出版でしたが、それにしても今となっては入手難な叢書を総解説した本が出るっていうのはフツーではありません。
サンリオSF文庫は、たった9年間、合計200冊弱のSFと周辺文学を出版して幕を閉じました。採算性を度外視したかのようなラインナップ、先行する同業会社との軋轢、撤退時のファンを顧みない処分の仕方。どれを取ってもフツーじゃありませんでしたが。
今になってこうして見ると、筆者が読んだのは75冊。4割を少し切るくらいでしょうか。良く読んだものです。ハヤカワだって、創元だって、こんな割合では読んでいませんから‥(^_^;
なんと言ってもイギリスSFに手厚かったのは嬉しかったです。コーニイ、プリースト、ショウ、ワトソン、コンプトン、カウパー、‥。凄いですね。
あとフランスSFの紹介も嬉しかった。不安定な時間と愛しの人類とこの狂乱するサーカスの3冊は、個人的には宝物です。もう訳されることはないだろうな‥(^_^;
女流作家の紹介が手厚かったのも特筆すべき特徴。特に、ケイト・ウィルヘルムと言えばサンリオでした。ティプトリーJrは、ハヤカワから大体、出揃いましたね。ル・グィンだって、当時はサンリオでした。先行していたハヤカワがのんびりしていたからです。後は何と言ってもマッキンタイアですね。
語り始めるとキリがありませんが、そう考えてみると、こういう本が出るのは必然だったのかも知れません。
一つだけ言えば、表紙の女の子はあまり可愛くないと思うのですが?