昔のハヤカワ銀背です。
ニューシルヴァーバーグのデビュー作として有名な作品。なぜかハヤカワ文庫に再録されませんでした。
ニューシルヴァーバーグと言えば、しばらく前に再読した「ガラスの塔」、「不老不死プロジェクト」、「内死」がベスト3と思っています。本書は、それには一歩及ばない印象です。
原題は、THORNで、トゲと言う意味であり、また痛みの原因と言う意味です。
本書の主人公たちは、エイリアンに遭遇して奇形に改造されてしまった男と、卵子提供実験で処女のままに70人の子供の母親になった娘です。それぞれに痛みを持つ二人が、どうよりそいあい、どう別れていくかという渋い小説です。
SFらしい設定はあるけれども、読み応えはそこに依拠していないというニューシルヴァーバーグの典型的な作風です。ただ、本書は読んでいて本当に痛いので、なかなか再読することはないでしょうか‥(^_^;
シルヴァーバーグらしいけれども、特に傑作と言う訳ではないかでしょうか。
ニューシルヴァーバーグと言えば、サンリオで予告されながら出なかった下記は読みたかったです。いや、原書で読めば良いんでしょうけど、シルヴァーバーグが文学青年の本領を発揮しちゃうと原文で読んでも判らないのではないかと不安‥(^_^;
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