アフガニスタンをソロプレイする

bqsfgame2015-12-30

正月最初のソロプレイゲームとしてやってみました。
ルールの分量が多いので重そうに感じていましたが、プレイすると非常に軽い。最大の理由は、実稼働ユニット数が少なく、移動や戦闘の手間が少ないことにあります。
逆に、だからこそ様々なゲリラ戦や政治戦の要素を盛り込めるという感じです。
シークエス的には、政治チットの取得、自軍の動員、移動、戦闘、それらによる政治インデックスの修整を、両陣営が繰り返します。
政治インデックスを争う所は、ブライアン・トレインのゲームと同じです。こちらの方が先なのではないかと思うので、オリジナルはミランダのアイデアなのですね。
政治チットは現在の政治インデックスに応じて得られます。ここが本ゲームの問題で、自軍が優勢だとたくさんもらえます。勝ち組には支援がどんどん得られるのです。結果として、勝っている側がさらに優勢になるという不安定性を持っていて、接戦が続かないシステムです。
特にアフガンゲリラが優勢になってくると、ソビエト側としてはソビエト軍による侵攻で軍事的成果を上げるしかなくなります。ところが、侵攻政策を取ると、ますます民衆の支持はゲリラに傾くようになっています。
なので、拳を振り上げても問題は悪化こそすれ、解決には向かいません。これは、非常に教育的です。アメリカもイラク占領政策で拳を振り上げてみましたが、何の問題解決にもなりませんでした。そうしたことは、既に1991年の本ゲームで、既にシミュレーションゲームとして理解されていたことなのです。
ソビエトアフガニスタン侵攻の時には、ソビエトの愚かさを見て理解できたアメリカが、自分が当事者になると同じ愚を繰り返す訳です。非常に深い洞察を与えてくれるゲームと思いました。
上述のアンバランス性があるので、競技ゲームとしては趨勢が早めに見えるのでプレイアビリティは良いと言えます。四半世紀前のゲームになってしまいましたが、中東紛争への大国介入の愚行を洞察するには全く古びていません。現代史ファンにはお薦めです。