ケースブルー

bqsfgame2016-05-14

さて、2000年以降に青作戦のゲームが出ていないかと言うと、そんなことはない。
大本命だったのは、OCSの「ケースブルー」。
「エネミーアットザゲイト」のリメイク的な位置付けの企画かと思いきや、ウラヌス作戦に焦点を据えた前作を越えて東部戦線の南方方面の前半戦全体をカバーする大作になった。その意味では、青作戦の大本命と言って良い企画。
しかし、OCSは、特に東部戦線ものの評判は概して良くなく、この作品は日本ではあまり話題にならなかったように思う。少なくとも筆者の周りでプレイしたという話しを聞かない。
先日の千葉会(の昼食の蕎麦屋)での近藤友樹さんの説を借りるならば、「ロシアの広大な平原を舞台にしたOCSは、あまり上手く機能しない」ということなのだろうか。
とは言え、BGG評価は平均8点を越えており、流通する中古品の相場は$500を越えているので、高く評価する人、欲しくて仕方がない人がいるゲームであることも確かなようだ。
筆者は、CADET時代にグーデリアンズブリッツクリーグ(1)をチーム戦でプレイして、大いに失望した記憶があるので、近藤説に近い意見だ。
OCSの最大の問題点は、ZOCがないことだと思う。
ただ、デザイナー(Essig)は信念を持ってZOCなしでデザインしているとも聞くので、そこをどう思うかで、このシリーズと付き合うかどうかは決まるように思う。再び近藤さんの説を借りるなら、「地形が比較的険しい作品(チュニジアビルマなど)では、この点が展開に及ぼす悪影響が小さいので、概して作品の評価は高い」らしい。なるほどと思わされるが、そうだとするとやっぱりZOCがないのはシステム的欠陥なのではないかと言う気がしてならない。
ちなみにデザイナーの意見によれば、そのために部隊分割のルールがあるので、どうしても戦線を引きたければ小戦力の分割ユニットで薄く広い戦線を引けば良い。しかし、そんなものが広大なロシアを守るために機能しないのは、当然のことなのだという見解らしい。それもまた一つの見識ではあるのかも知れないが、競技ゲームとしてはいかがなものなのだろうか。