岩井俊二監督の1996年の映画、WOWOW。
初めて観ましたが、すごく良い映画でした。終盤、血腥くなるし、最後に主役の一人が死んでしまうのが痛いですが。
バブル全盛期、円が世界で一番強い通貨だった頃に日本へやってきた移民たちの物語。娼婦の母親をなくしてしまい、引き取り手がなく盥回しにされる少女。彼女を引き取ったグリコを歌姫としてライブハウスを始めるフェイホン。
しかし、偽札作りの重要データを入れたカセットテープを持った男を、うっかり変死させてしまったことから追われる身に。
下層社会、闇社会を主舞台にしており、全編、独特の画面構成。日本なんだけれども、とても日本とは思えない不思議なテイスト。
主役の一人である少女を演じるのは、当時16歳の伊藤歩。胸にアゲハのタトゥーを掘るシーンでは、惜しげもなく白い胸を晒しており、その思い切りには驚いてしまう。全体として彼女の演技が映画全体を締めており、16歳でこの力量では「昼顔」の夫を奪われる妻の役などたやすくこなせるものだと思う。そうか、そう言えば近々「昼顔」劇場版が公開なので、そのタイミングでやっているのでしょうか?