千葉会:ブレニム1704を対戦プレイする

対戦してきました。

初戦は3時間強で、フランス軍の総大将のタラール元帥が頓死した所でフランスバイエルンの投了で終了。

二戦目はオイゲンの準備を尽くした波状攻撃が失敗してオイゲン軍が崩壊状態に陥った所でマールバラ側の投了で終了。

7へクスシステムのエリアとへクスの関係を昨日は説明しました。

もう一つ大きな特徴が命令継続のシステムです。各自のプレイヤーターンの中心は、命令フェイズです。命令を発する都度、実行チェックをします。白と赤のダイスを振って、白のダイスが赤以上だと実行され、次の命令を発せられます。

この時に総大将の能力による修整値が付きます。マールバラは+3、タラールは+2です。で、1回ごとに白ダイスにー1修整が累加していきます。

つまり、マールバラの1回目は、白赤が、16、15、26の時だけ失敗します。つまり、白ダイスがー4以下の時です。以下、1回ごとに失敗確率がどんどん高まります。

で、問題なことが二つあります。

まず、最初の1回目で失敗することがあります。つまり、1ターンお休みが突然発生します。これが無視できない確率であります。上記のマールバラのケースでは、1/6の確率になります。タラールだと、実に1/3になります。言い換えれば、マールバラの2回目も1/3で失敗です。

と言うことはマールバラでさえ、命令を2回実行できる確率は1/3くらいしかありません。

なので、1ターンに起こる命令は、マールバラで2回くらい、タラールは1回くらいの期待値です。

ですので、1ターンに起こることが少なすぎて、まるでコマ落としの動画を見ているみたいです。

その一方でダイス目が走ると4命令くらい連続して実行できることもあり、そこで本ゲームでは電撃戦と呼ぶべきことが起きます。

往年のバーグ大先生のTCTシステムと同じ欠点を持っていて、二つの点で筆者は好きになれませんでした。

1:プレイヤーの作戦立案の意義を低くしている

2:ダイスの運が勝敗を左右することが多い

上記の二つは裏表で、同じことを言っているに過ぎませんが。

バーグ大先生の、「満州太平天国の乱」も同じ問題があって評価できないと書いたのは、FGAME時代ですので四半世紀前のことになります。今になって、また同じことを書く必要を感じるゲームと出会うとは思いませんでした。

閑話休題

命令継続のシステムを別にすれば、昨日書いた7ヘクスシステム自体はデザイナーの表現したかったことを再現するのに成功していると思います。

ヘクスやターンのスケール、命令継続による粗さなどがあるにも関わらず、一定のマスケット時代の戦闘の雰囲気を感じられるようになっています。その意味では、一見の価値はあります。

功罪入り乱れたデザインなので、評価はなかなか難しい所です。この時代の戦闘の雰囲気を味わえることに価値を見出す人なら買って良いと思います。