リアルタイムとずれまくりです。
岩井監督の「ラストレター」です。
「ラブレター」が1995年ですから、25年ぶりの返歌となります。
SNSで連絡しあうのが当然の時代に、敢えて紙の手紙の物語を再び世に問うのですが、なかなか凝った脚本でした。
同窓会、美人姉妹、初恋の人、ラブレター。様々ないかにもというモチーフが上手に組み合わされていて、濃密な2時間でした。
もう一度、劇場に足を運んでも良いかなと思うほどの出来栄えでした。
特に、森七菜が素晴らしいです。憧れの先輩に美人の姉を紹介し、姉へのラブレターの配達係を引き受ける。彼女の思いと行動が、三人のバランスを微妙に揺すぶります。
その大人になった時を演じる松たか子も素晴らしい。
姉の死を伝えるために同窓会に参加しながら、紹介されるままに元生徒会長の姉として挨拶してしまい、その嘘に整合するように手紙のやり取りを始めてしまいます。
実はもう一組のラブレターが本作には登場し、彼女はそちらの代筆までするようになってしまいます。ここらへん、とても面白く出来ています。
前作の中山美穂と豊川悦司が登場するのですが、かなり捻った役回りで登場して驚きました。
庵野秀明が役者として珍しいほどセリフの多い役で登場しており、これも驚きました。