○テクニカラータイムマシンを読む

ハリイ・ハリスンです。

ヤフオク

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最近、ハリスンをかなり読んでいます。

嚆矢となったのはこちら。 

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 次が代表作であるこちら。 

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 実は、本作は執筆順では「人間がいっぱい」の直後に当ります。

シリアスな人口爆発下のニューヨークの次が、タイムマシンを使って本物の海賊を撮影して倒産寸前の映画会社を救おうというスラップスティックだというのが、いかにもハリスンらしい。

こちらも代表作と言えばそうです。 

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 浅倉久志氏の訳業であることも本書のポイント。浅倉さんの好きそうな作品でもあります。

モンキーパンチの表紙、挿絵であることも特記に値します。これが最初で最後ではないかと思います。

「人間がいっぱい」で書きましたが、ギター一本でフォークからクラシックまでやってみせる流しみたいな人です。本書はフォークの方に当ります。

広義のタイムトラベルものですが、典型的なタイムパラドックスが中心に据えてあります。

本作の撮影隊は、バイキングが北米大陸に最初に移住したという研究をベースに、それを撮影しに行きます。しかし、終わってみると、実は逆で、撮影隊が過去にやってきて、いろいろと支援してくれたからバイキングは北米に到着できたと思われます。そうすると、バイキングが先か、撮影隊が先か、いやそれは閉じた円環として頭も尻尾もなく完結しているのかという疑問で本書は終わります。

軽妙なスラップスティックと見せながら、本格時間SF風にまとめてしまう所が、ハリスンの食えない所です。

後はサンリオの「囚われの世界」と、早川では「銀河遊撃隊」でしょうか。ステンレススチールラットは3冊持っていたのですが、転居時に売却してしまいました。惜しいことをしたものです。