ミッションをソロプレイする

ベン・マディソンのソロプレイゲームです。

ともかくも稼働してみました。

キリスト教として、先ず布教に励みます。

エルサレムを出発点として、最初の使徒たちが近隣へと進んで行き迷える民(土地)を発見し、それを改宗してキリスト教の版図(教会)を拡大していきます。

キリスト教キャッシュフローは当初は非常に小さいのですが、版図が拡大していくにしたがって資金が大きくなります。

そうすると、聖書を他言語に翻訳したり、修道院や病院や大学を建設したりできるようになります。それによって資金不要のアクションを得たり、蛮族との版図争いで戦う際の支援を得たりします。

ヌビアやゴルバチョフは、6つあるパスを外側から進行してくる敵(インバウンド)と戦って本拠地を守るゲームでした。

これは逆で、キリスト教は6つあるパスを外側へと布教(アウトバウンド)して行くゲームです。

キリスト教は最初は既存国家(共和制ローマ)から弾圧されますが、やがてローマの国教となり支援を受けるようになります。そうするとローマ帝国の版図がどこまで広がっているかが問題となり、ローマ帝国の周辺蛮族との版図争いの要素が含まれています。

隣国ペルシャゾロアスター教の大国で、そのこともゲームに反映されています。

そしてもちろん、ゲームが中盤になるとイスラム教が起こり、聖地エルサレムから外側へ向かってジハードを始めます。

かくて、本ゲームでは自分がエルサレムから外側へ広がり、その後に背後(エルサレム)から新興宗教に攻撃されるという二重包囲戦のようなシチュエーションへと移ります。

ゲームは、十字軍が始まる段階で終了となり、その時点でのキリスト教の勢力とイスラム教の勢力を比較して勝利判定します。

キリスト教の拡大と、それと関連した古代から中世の様々な歴史的イベントをカバーしており、世界史の教材の一つに文科省に推薦したいくらいです。

今まで「公会議」というものの意味が良く判っていなかったのですが、本ゲームをプレイすると実感として理解できました。

キリスト教の正統な教義を議論する場」ではなく、「身内の間の些細な差異をいがみあって嫌いな連中を破門するための会議」だったのですね(あくまで個人的な意見です)。公会議で分裂することでキリスト教としてのプレイヤーのVPや資本力は悪影響を受けるので、公会議などしない方が良いのにと思いました。もちろんルール上は、指定ターンには強制イベントとして実施せざるを得ませんが。

時間の都合でイスラム教登場の直前までしかできませんでしたので、勝敗判定不可としました。

カバーしている歴史事象が複雑多岐に渡るので細かいルールが多いです。プレイ時間60分はガセのように思いました。2時間以上と見た方が良いと思います。

歴史に関するインサイトフルな作品で、プレイして面白い良く出来たゲームです。