☆惑星タロスの幻怪人を見る

スタートレック、シーズン1からです。

個人的には一番好きなエピソードです。

ロッデンベリー作品。

少し話が複雑なので、順を追って説明します。

まず、最初に企画当初のパイロットフィルムがありました。没になったもので、シャトナーではない艦長(キャプテン・パイク)がタロス第4惑星を探検するものです。

そこで彼は遭難した前光速宇宙船の植民隊の生き残りを発見します。その中に一人の美少女がいました。到着直後に生まれたというのです。

しかし、実は植民隊はタロス星人が見せている幻でしかありません。彼女だけが実在なのですが、遭難時に重傷を負い、タロス星人は修理(?)してくれたのですが、人間の構造を理解していなかったので部品をいろいろと間違った位置に組み立ててしまい、二目と見られない不具となりました。

タロス星人はパイク船長に残ってもらい二人で暮らして欲しいと願い、様々な幻を見せますがパイクは揺らぎません。そして船に帰ろうとするのですが、異形の体を恥じる彼女はタロスに残ってタロス星人の幻で生きることとします。

ここまでが13年前の前任者の冒険。

この冒険の後、宇宙艦隊はタロス星系を接触禁止に指定しました。

さて、現代のカーク船長時代。カークの船は11号宇宙基地への緊急寄港命令を受けて入港します。ところが司令官のメンデス准将は何をしにきたのかと問いただします。そんな命令は出していないというのです。一方でスポックは命令を受けたと言います。

11号宇宙基地にはキャプテン・パイクが宇宙事故で脳波感応型の車椅子(ロボット?)となって入院していました。

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スポックはパイク船長を連れてエンタープライズ号を乗っ取ってタロス星へと向かいます。パイク前船長をタロス星人の幻で彼女と二人で幸せに暮らさせようというのです。

エンタープライズ号に置いていかれたカーク船長は、メンデス准将とタグボートエンタープライズ号を追います。帰還可能点を過ぎたタグボートをスポックは仕方なくトラクタービームで回収し、投降します。

かくてスポックに対する軍法会議が開かれることになり、スポックは13年前のタロス星探検の事実を明かします。

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というような話しです。

没になったパイロットフィルムを上手く利用した2層構造のエピソードで2回分です。てっきり、途中にインターバルがあると思っていたらDVDでは連続再生になっていて、あれよあれよとクライマックスになって吃驚しました。

最後はパイク船長は美少女と二人タロス星で暮らすハッピーエンドになります。

没になったパイロットフィルムを転んでも只では起きないロッデンベリーが上手く活用した傑作だと思います。